トルコリラ円 13.30円を挟んだ持ち合いも8日経過、そろそろ持ち合い放れへ進むか(20/12/9)

トルコリラ円は13.30円を中心とした持ち合いが続いているが、持ち合い放れへの決め手に欠いた状況で持ち合い推移も12月8日で8営業日を経過した。

トルコリラ円 13.30円を挟んだ持ち合いも8日経過、そろそろ持ち合い放れへ進むか(20/12/9)

13.30円を挟んだ持ち合いも8日を経過、そろそろ持ち合い放れへ進む時か

〇トルコリラ円、13.30を中心とした持ち合い推移で8営業日経過
〇EU首脳会議で東地中海のガス田探査についてトルコに制裁決定ならトルコリラへの影響懸念
〇12/8時点でのトルコの感染者数(陽性者数)累計は89.3万人に
〇トルコ航空、中国シノバック社開発のワクチンをブラジル向けに空輸開始
〇7日夕安値13.22割れからは3日夕安値13.13試しへ向かうとみる
〇13.42超えからは持ち合い上放れとして13.50を目指す上昇を想定

【概況】

トルコリラ円は11月30日夜高値で13.42円を付け、12月1日夕刻安値で13.13円まで下げた後はこの高安レンジ内での推移が続いている。13.10円台序盤を下値支持線、13.40円前後を上値抵抗とし、13.30円を中心とした持ち合いだが、持ち合い放れへの決め手に欠いた状況で持ち合い推移も12月8日で8営業日を経過した。
12月8日は夕刻に13.25円まで下げた後深夜に13.36円まで戻した程度で、持ち合い中の値動きとしてもさらにレンジが縮小した状況にある。
日足ではボリンジャーバンドが急速に収縮しているが、持ち合いも2週目となれば値動きの鈍さに市場のストレスもたまるため、持ち合い放れからはストレス解放で大きく動き出すことも多いので、現状を動き出す前夜情勢として持ち合い放れ開始から追従するスタンスで構えておきたいところだ。
対ドルでのトルコリラも11月30日に7.73リラまで反騰した後は12月1日夕高値7.91リラまで下落、その後はこの高安範囲内での推移にとどまっている。

【12/10-11のEU首脳会議に注目】

12月10-11日にEU首脳会議がある。英国とEUのFTA交渉で合意達成できるかどうかが最大の問題だが、同首脳会議では東地中海のガス田探査を巡ってトルコに制裁を科すべきかも決定される。フランス等が制裁を主張し、ドイツが対話継続姿勢のようだが、仮に制裁が決定される場合、内容が名目的なもので実害の無いレベルになるのかどうかも含めてトルコリラにも影響が出ることが懸念される。
EUとしてはギリシャ沖でのトルコの海軍艦艇を伴ったガス田探査の強行でギリシャと対立していること、リビア内戦への介在と武器供与等への批判、NATO加盟国であるにもかかわらずロシア製ミサイルシステムを導入して欧米との対立感が強まっていること、様々な領域でエルドアン政権によるトルコ第一主義的な振る舞いがトルコ批判を強めている状況だが、NATO加盟国同士としての協力関係もあり、難しい判断を迫られている。

【感染者と死者増加続く】

トルコにおける新型コロナウイルスの感染拡大第二波は続いている。
12月8日時点で、トルコの感染者数(陽性者数)は3万3198人増で累計は89.3万人に達した。陽性者のうち有症者は6593人とされているため、有症率はある程度抑制されているとはいえ、連日の3万人前後での陽性者増加であり、拡大規模は欧州の第二波並みとなっている。また死者も211人増えて過去最大、連日200人超えの死者発生となっている。
トルコはそれでも感染抑制に成功していると主張しているが、今後の同国への海外からの観光客訪問への影響も懸念されるところだ。
感染関連ではトルコ航空が中国シノバック社の開発したワクチンをブラジル向けに空輸し始めているが、超低温でのワクチン空輸が世界規模で始まれば旅客の激減にさいなまれているトルコ航空等世界の航空会社には恩恵となる可能性がある。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月27日以降は13.30円を中心としたボックス型持ち合いによりやや短期的な騰落が続いており、12月1日以降は凡そ2日間隔で騰落している。このため、12月4日夜高値を前回のサイクルトップとし、7日夕安値を同サイクルボトムとするが、すでに8日深夜高値でサイクルトップを付けた可能性もある。7日夕安値割れ回避のうちは9日午後から10日にかけての間への上昇余地ありとみるが、新たな強気材料で持ち合い上放れへ進めないうちは戻りは短命に終わる可能性があると注意する。7日夕安値割れからは9日夕から10日夜にかけての下落を想定する。

60分足の一目均衡表では持ち合いでの騰落が続いているため、遅行スパン及び先行スパンともに実線との交錯を繰り返して方向感に乏しい状況のままだ。先行スパンを上回るうちは上昇余地ありとみて遅行スパン好転中の高値試しとするが、先行スパン転落中は遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は持ち合い相場のため、50ポイントを挟んで小動きとなっている。30ポイント超えから続伸に入る場合は上昇に勢いも付くとみるが60ポイント前後から失速の場合は持ち合い継続で持ち合い下限へ向かう流れとみる。40ポイント割れからは持ち合い下放れへ向かう可能性もあると注意する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12月7日夕安値13.22円を下値支持線、12月8日深夜高値13.36円を上値抵抗線とする。
(2)13.22円を上回るうちは上昇余地ありとし、7日深夜高値を上抜く場合は13.40円前後試しとするが、新たなきっかけがなければ13.38円以上は反落注意とみる。
(3)13.22円割れからは12月3日夕安値13.13円試しへ向かうとみるが、新たなきっかけがなければ13.15円以下は反騰注意とみる。
(4)13.42円超えからは持ち合い上放れとして13.50円を目指す上昇を想定し、13.13円割れからは持ち合い下放れとみて13.00円割れを再び試す流れとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

12月10日
 16:00 9月失業率 (8月 13.2%、予想 13.4%)
 20:30 週次外貨準備高 12/4時点 (11/27時点 439.0億ドル)
12月11日
 16:00 10月経常収支 (9月 -23.64億ドル、予想 -1.0億ドル)
12月14日
 16:00 10月鉱工業生産 前月比 (9月 8.1%)
 16:00 10月小売売上高 前月比 (9月 2.8%)
 16:00 10月小売売上高 前年同月比 (9月 7.8%)

注:ポイント要約は編集部

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