トルコリラ円見通し 反騰反落も落ち着き、13.30円を挟んだ持ち合いで次の展開を探る(20/12/8)

トルコリラ円は7日夕刻に13.22円まで下げた後は13.30円台を回復してややジリ高の推移となっている。

トルコリラ円見通し 反騰反落も落ち着き、13.30円を挟んだ持ち合いで次の展開を探る(20/12/8)

中銀利上げ後の反騰反落も落ち着き、13.30円を挟んだ持ち合いで次の展開を探る

〇トルコリラ円、12/7夕13.22まで下げる、その後13.30台を回復しややジリ高の推移
〇13.40前後を上値抵抗線、13.10台序盤を下値支持線としたボックス型持ち合い相場
〇対ドル、7.73リラから7.91リラまでの範囲内、ほぼボックス型の持ち合いにつかまる展開
〇リラ暴落、ひとまず落ち着く、トルコ金融政策の次の手を見定める様子見か
〇12/24トルコ中銀金融政策決定会合開催、連続利上げに向かうか注目
〇13.22を上回るうちは上昇余地あり、12/4夜高値13.38を上抜く場合は13.40前後試しとする
〇13.22割れからは12/3夕安値13.13試しへ向かうとみるが、13.15以下は反騰注意
〇ボックス型持ち合い上放れからは13.50を目指す上昇を想定、13.13割れからは下放れとみる

【概況】

トルコリラ円は7日夕刻に13.22円まで下げた後は13.30円台を回復してややジリ高の推移となっている。
11月19日のトルコ中銀による大幅利上げ発表直後に13.82円までいったん上昇したものの早々に失速し、11月23日には利上げ前水準を割り込んで11月24日夜には12.92円まで下げたが、13円割れは買い戻されて、11月27日以降は13.30円を中心として13.40円前後を上値抵抗線、13.10円台序盤を下値支持線としたボックス型の持ち合い相場に入っている。12月3日夕刻に13.13円まで下げてから12月4日夜に13.38円まで戻したが持ち合いの上限にとどまり、週明けも持ち合い範囲内の推移となっている。

対ドルでのトルコリラも11月30日に7.73リラまで反騰した後は7.90リラ前後へ下げるところは買い戻されつつ新たな高値更新へは進めずに7.73リラから7.91リラまでの範囲内でほぼボックス型の持ち合いにつかまっている。
11月6日まで続いてきたリラ暴落はひとまず落ち着いている。中銀総裁と財務相の更迭と11月19日の大幅利上げでリラ安には急ブレーキがかかったが、利上げ後はリラ反騰材料も一巡しつつ、トルコ金融政策の次の手を見定めたいとして様子見に入っているところと思われる。

【当面はボックス型持ち合いの放れ待ち】

ナゴルノ紛争も停戦に入り、ギリシャとの東地中海ガス田探査問題での対立とEUによる制裁(名目的非難)、シリア情勢、リビア内戦への介在(EU艦によるトルコ艦船の臨検)、ロシア製ミサイルシステム導入によるNATO内孤立と米国との対立懸念、ウクライナとの関係強化によるロシアとの対立等、地政学的リスクも多いが、これらを主要因として相場が動くような新たな情勢変化は見られない。
中銀の次回金融政策決定会合は12月24日であり、連続利上げに向かうのか様子見する中でトルコ国内のインフレ進行が深刻化するのかどうかはまだ先となる。

先週末までは米国株高を先導役としてリスク選好的なユーロ買いや豪ドル、NZドル、南アランド、メキシコペソ、ブラジルレアル等で上昇が続いたが、週明けは英国とEUのFTA交渉時間切れの中で不安も拡大しつつある中でそれらにややブレーキがかかっている。トルコリラの11月6日からの反騰も新興国通貨買いの全般的な動きにも支えられていたが、年末も近づく中で新興国通貨買いの流れがさらに進むのかどうかも影響が出てくるところだ。
諸情勢もやや落ち着いたことでトルコリラ円はボックス型持ち合いに入っており、当面は新たなきっかけを待ちつつ持ち合い放れを見定める展開と思われる。

【感染者と死者増加続く】

新型コロナウイルスの感染拡大によりトルコでは12月1日から夜間外出制限が始まっており、全国規模での平日を含む夜間外出禁止令が出され、平日は午後9時から翌朝5時まで、週末は金曜日の午後9時から月曜朝5時まで規制されている。
トルコでは11月25日から従来は陽性でも無症状者を感染者数に含めていなかった方式から無症状感染者の数も公表を始めた、この結果、有症感染者増加数は日々6千人台だが、陽性者数は25日に2万8351人へ急増し、その後も3万人前後の増加が連日続いている。12月7日は3万2137人増で累計は86万人を超えてウクライナを抜いて世界16番目の感染者数となった。7日は死者も203人増と200人を超える規模に拡大し、第一波のピークである4月19日の127人から倍増近い状況となっている。
トルコ製のワクチンでは一般使用に最も近いとされるエルジエス大学ワクチン研究開発センター開発のワクチンで第1段階の治験が44人に行われ、12月15日からは第2段階の治験に入るとされる。また中国製及びロシア製のワクチン導入も協議されている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月27日以降は13.30円を中心としたボックス型持ち合いによりやや短期的な騰落が続いている。12月3日夕安値13.13円で目先の底を付けてやや戻したが12月4日夜高値でピークを付けて下落、7日夕刻安値からは戻しているところのため、12月7日夕安値割れ回避のうちは8日から9日にかけての間への上昇余地ありとみるが、7日夕安値割れからは9日夕から11日夕にかけての間への下落へ進みやすいと思われる。新たなきっかけを得られない打ちは2日程度の周期での短期的騰落をしばらく繰り返すのではないかとみる。

60分足の一目均衡表では持ち合いでの騰落が続いているため、遅行スパン及び先行スパンともに実線との交錯を繰り返して方向感に乏しい。4日夜高値超えからは持ち合い上放れへ進む可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、7日夕安値割れからは持ち合い下放れへ進む可能性もあるとみて遅行スパン悪化中の安値値試し優先とする。

60分足の相対力指数は持ち合い相場のため、30ポイント前後を下値支持線、60ポイント台を上値抵抗線とした騰落範囲での推移が続いている。50ポイント以上での推移中はやや上向き、50ポイント以下での推移中はやや下向きというところか。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12月7日夕安値13.22円を下値支持線、12月4日夜高値13.38円を上値抵抗線とする。
(2)13.22円を上回るうちは上昇余地ありとし、4日夜高値を上抜く場合は13.40円前後試しとするが、新たなきっかけがなければ13.38円以上は反落注意とみる。
(3)13.22円割れからは12月3日夕安値13.13円試しへ向かうとみるが、新たなきっかけがなければ13.15円以下は反騰注意とみる。
(4)ボックス型持ち合いを上放れる=13.42円超えからは13.50円を目指す上昇を想定し、13.13円割れからは下放れとみて13.00円割れを再び試す流れとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

12月10日
 16:00 9月失業率 (8月 13.2%、予想 13.4%)
 20:30 週次外貨準備高 12/4時点 (11/27時点 439.0億ドル)
12月11日
 16:00 10月経常収支 (9月 -23.64億ドル、予想 -1.0億ドル)
12月14日
 16:00 10月鉱工業生産 前月比 (9月 8.1%)
 16:00 10月小売売上高 前月比 (9月 2.8%)
 16:00 10月小売売上高 前年同月比 (9月 7.8%)


注:ポイント要約は編集部

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