株価にらみ続く、NYダウは調整継続も!?
〇ドル円、ドルが小安く一時104円割れを記録
〇バイデン氏、ホワイトハウス高官に陣営幹部や民主党の下院議員を起用する人事発表
〇パウエルFRB議長「5-6月以降の景気回復は予想以上に強い」と楽観的な見解示す
〇英ジョンソン首相、EUとの「通商交渉、合意には程遠い」
〇東京都の1日当たりの新型コロナ新規感染者数が過去最高を更新
〇NYダウ先物は100ドル以上下落、3万ドル到達まではもう少し時間がかかりそう
〇欧米時間の予想レンジ103.50-104.50
<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場は、ドルが小安い。レンジは狭いものの、一時104円割れを記録するなど。見た目以上にドルは弱い印象だった。
ドル/円は寄り付いた104.10-20円を日中高値に、緩やかな右肩下がり。日経平均が一時300円以上下落したことや、新型コロナについて東京が過去最多となる493人の新規感染確認との報道が嫌気され、ドル売り・円買いがかさむと104円割れを示現する局面も観測されていた。そののち、ドルは小戻すもすでに上値は重く、16時現在では104.00-05円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米国情勢」と「英EUの通商交渉」について。
前者は、いまだ宙ぶらりんな状態が続く米大統領選だが、バイデン氏による次期政権の陣容が整ってきた。ディロン選対本部長が大統領次席補佐官に起用される見込みと伝わるなど、ホワイトハウス高官に陣営幹部や民主党の下院議員を起用する人事が発表されている。そうしたなか米国の経済状況について、パウエルFRB議長が「5-6月以降の景気回復は予想以上に強い」とやや楽観的な見解を示した反面、アトランタ連銀総裁からは「経済指標、米小売売上高の低迷は短期的なリスク」などとした発言が聞かれていたようだ。
対して後者は、ブルームバーグが「早ければ来週の合意成立に照準」と報じ、一時は好感したポンド買いが優勢に。しかし、その後ジョンソン首相から「通商交渉、合意には程遠い」とした一転しての失望を誘うようなコメントが発せられている。進展がまったくないわけではないが、まだまだゴールは遠いということなのかもしれない。また、それとは別に英中銀副総裁からは「コロナのワクチン開発は英経済のリスク軽減につながるが、見通しを上方修正する公算は小さい」とする発言が観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
新型コロナの感染拡大は、欧米諸国が中心ではあるものの、日本も決して対岸の火事ではない。事実、前述したように東京都の新規感染者が過去最高を更新したほか、日経新聞によると「東京都、感染警戒レベル引き上げで最終調整に入った」ともされている。ここ数日、日中はかなり暖かいが、本格的な冬も間近に迫るなか、さらなる感染拡大そして東京都や政府の対応が注視されていることは間違いない。
そうしたなか、マーケットで引き続き話題となっているのは、コロナのワクチン開発に関するニュース。また、3万ドルの大台を前に、やや足踏み状態となっているNYダウなど米株の動きへの関心も高い。本稿執筆時、時間外で取引されているNYダウ先物は100ドル以上下落しており、それからすると3万ドル到達まではもう少し時間がかかりそうな気もするが、果たして如何に。いずれにしても、為替市場は本日も株価にらみの展開が続く可能性がある。
テクニカルに見た場合、16日にドルは一時105円台まで上昇するも、定着できず。上値トライを失敗した感があったが、本日は一転してドルの下値を試す展開となっており、103円台までじり安推移となっている。
なお、直近安値103.18円を起点とした上げ幅のフィボナッチでは、61.8%押し(104.10-15円)をすでに下回っており、次のターゲットは76.4%押しの103.75円。そして、そのレベルを下回るといよいよ100%戻しが視界内に捉えられそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事と政権運営」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、10月の住宅着工件数といった米経済指標が発表されるほか、ブラード・セントルイス連銀総裁による講演など欧米要人による発言機会は引き続き多い。相場のリスク要因として要人発言にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.50-104.50円。本日東京高値の少し上、104.30-40円が弱い抵抗として意識されている。また、超えれば移動平均の21日線が位置する104.60円前後が次のターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、前述したフィボナッチを参考にした103.75円が一応の下値メド。それを割り込むと、6日安値の103.18円が視界内に捉えられかねない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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