ドル円、心理的節目104円丁度を割り込み一時103円台半ばへ下落(11/19朝)

18日(水)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。

ドル円、心理的節目104円丁度を割り込み一時103円台半ばへ下落(11/19朝)

ドル円、心理的節目104円丁度を割り込み一時103円台半ばへ下落

〇ドル円ファイザー社のワクチン臨床試験95%の効果の報に一時104.10を回復
〇その後はコロナウイルスの世界的感染拡大によるリスク選好後退が重しとなり103円台に反落
〇ユーロドル1.1891まで上昇後に伸び悩み1.18台後半での推移
〇ドル円テクニカル、ファンダメンタルズともに続落リスク警戒される
〇米主要株価指数の反落リスク警戒、ワクチン報道には織り込み済みのため反応薄か
〇本日の予想レンジ:103.30ー104.20

海外時間の為替概況

18日(水)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@米ファイザー社による「コロナワクチンの臨床試験で95%の予防効果が確認された」との最終結果を好感する形で一時104.10まで上昇する場面も見られましたが、A新型コロナウイルスの世界的な感染拡大(本邦においても新規感染者数が2000人を突破するなど過去最多を更新)や、B上記Aを背景としたリスク選好ムードの後退、Cニューヨーク連銀ウイリアムズ総裁による「財政支援策が無ければ今後数ヶ月で経済活動が減速する可能性」との悲観的な見方が重石となり、米国時間午後にかけて、安値103.65まで下落しました(11/9以来)。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、103.80近辺で推移しております。

18日(水)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@米国債利回りの低下を受けたドル売り圧力を背景に、欧州時間朝方にかけて、高値1.1891まで上昇するも、心理的節目1.1900や、前日高値1.1894をバックに伸び悩むと、A次回ECBでの追加緩和観測や、BECB当局者によるユーロ高牽制の思惑、C新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、D国際通貨基金(IMF)による「ドイツ経済はコロナ感染第2波の影響で下振れリスクが高まっている」との認識発表が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1852まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、1.1860近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、11/11に記録した高値105.68をトップに反落に転じると、昨日は心理的節目104.00を割り込み、一時103.65まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大リスク(※新型コロナワクチン期待は織り込み済み)、E日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、F実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク。昨日は株式市場がグローバルに反落)、G米追加景気対策の後ずれ観測(財政の崖リスク)、H米財政赤字の拡大懸念(米債の格下げリスク)など、ドル円相場の下落を想起させる構造的な不安材料は引き続き沢山残っている状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、続落リスクが警戒されます。欧米株及び欧米長期金利の動向(特に米主要株価指数の反落リスクに警戒)や、新型コロナワクチンに関する続報(ワクチン開発に関するポジティブな報道は織り込み済み。昨日も米ファイザー社による臨床試験成功の報道がなされましたが反応は限定的)、米経済指標の結果(米11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米新規失業保険申請件数、米10月中古住宅販売件数など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(目先は11/6に記録した約8ヵ月ぶり安値103.17を試す展開)。

本日の予想レンジ:103.30ー104.20

注:ポイント要約は編集部

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