米株などにらみ右往左往も基本はレンジ内か(11/12夕)

12日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、105円台を維持するなど、ドルの下値もかなり堅く下げ渋りの様相だった。

米株などにらみ右往左往も基本はレンジ内か(11/12夕)

米株などにらみ右往左往も基本はレンジ内か

〇ドル円、本日夕方にかけて右肩下がりになり一時105.15レベルまで値を下げる
〇バイデン氏が菅首相と電話会談、尖閣諸島について日米安全保障条約の第5条の適用範囲と見解を示す
〇新型コロナ関連では欧米諸国での感染拡大や日本での第3波襲来の懸念、ワクチン開発の続報などに注意
〇本日発表の米10月消費者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数の指標に注視
〇欧米時間の予想レンジ104.80-105.70

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、105円台を維持するなど、ドルの下値もかなり堅く下げ渋りの様相だった。

ドル/円は105.35-40円で寄り付いたものの、しばらくは強保ち合い。しかし、底割れすると夕方にかけて緩やかな右肩下がりに。日米株価の動きなどをにらみつつ、一時105.15円レベルまで値を下げている。16時現在でも、日中のドル安値圏で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、東京時間は全般ドル高、円高の動き。ドルは対円以外、対ユーロやポンド、豪ドル、トルコリラなどでも堅調推移をたどっている。

一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米大統領選をめぐる動き」について。
前者は、ロイターが「新型コロナ感染症による死者が5万人を上回った」と報じるなど、欧州最多、世界でも5番目になったことが明らかとなり、一部で話題に。そうしたなか、アイルランド外相が「英国とEUの通商交渉、今週の決着は困難で来週に持ち越される」との考えを示したことが失望を誘い、為替市場ではポンド売りの要因となっていた感を否めない。

対して後者は、米大統領選での敗北後、初めて公の場に姿を現したトランプ氏が話題になるも、発言はなし。そうしたなか、米ジョージア州務長官が「手作業での再集計」を命じたことを明らかにして物議を醸す。再集計は今月20日が期限とされるなか、果たして間に合うのかといったことを気にする声も。
一方、バイデン氏は本日早朝に菅首相や文韓国大統領らと相次ぎ電話会談。そのなかで、バイデン氏は尖閣諸島について、米国の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用範囲であるとの見解を示したという。

<< 欧米市場の見通し >>

先で取り上げた英国の新型コロナ報道など、欧米諸国を中心として新型コロナの感染拡大が引き続き話題に。かくいう日本も12日、東京都で新たに393人の新型コロナ感染が確認されるなど、本格的な冬を前に「第3波襲来」が懸念されている。一方で、ワクチン開発については幾つかの明るい話なども聞かれており、金融市場はいましばらく両者のせめぎ合いか。それぞれの続報あるいは関連ニュースなどに注意を払いたい。

そうしたなか、依然として市場筋の注目を集めているのは米株の動き。昨日はいまひとつ波に乗り切れなかったナスダック指数が反発に転じた反面、堅調推移をたどっていたNYダウは逆に利益確定売りなどに押されている。いまだ不安定な状況をたどっているといって間違いない。なお、時間外取引のなかNYダウ先物など米株3指数は、いずれも本稿執筆時マイナス圏で推移しており、これが現物市場に波及するのか注目だ。

テクニカルに見た場合、10日のNY時間に105円台を回復後、「しっかり」と下回ることはなく、ドル底堅い。104.80円レベルに位置する移動平均の21日線が引き続きサポートになっているようだ。
しかし、ドルの上値も重く、同じ移動平均の90日線(105.70円前後)が抵抗として寄与している感がある。つまり、ザックリ言って104.80-105.70円、およそ1円のレンジを上下どちらに放れるのかがまずは注目されそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事」、「トルコ情勢」などが注視されている。
一方、本日の材料としては、10月の消費者物価指数や週間ベースの米新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による30年債の入札も実施される見込みだ。また、昨日から実施されているECBフォーラムにおいて、パウエルFRB議長やベイリー英中銀総裁らが参加しパネルディスカッションが行われる予定。それなりに材料は少なくないのかもしれない。

米株などにらみ右往左往も基本はレンジ内か

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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