米株などにらみ右往左往も基本はレンジ内か
〇ドル円、本日夕方にかけて右肩下がりになり一時105.15レベルまで値を下げる
〇バイデン氏が菅首相と電話会談、尖閣諸島について日米安全保障条約の第5条の適用範囲と見解を示す
〇新型コロナ関連では欧米諸国での感染拡大や日本での第3波襲来の懸念、ワクチン開発の続報などに注意
〇本日発表の米10月消費者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数の指標に注視
〇欧米時間の予想レンジ104.80-105.70
<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場は、ドルが小安い。ただ、105円台を維持するなど、ドルの下値もかなり堅く下げ渋りの様相だった。
ドル/円は105.35-40円で寄り付いたものの、しばらくは強保ち合い。しかし、底割れすると夕方にかけて緩やかな右肩下がりに。日米株価の動きなどをにらみつつ、一時105.15円レベルまで値を下げている。16時現在でも、日中のドル安値圏で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、東京時間は全般ドル高、円高の動き。ドルは対円以外、対ユーロやポンド、豪ドル、トルコリラなどでも堅調推移をたどっている。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米大統領選をめぐる動き」について。
前者は、ロイターが「新型コロナ感染症による死者が5万人を上回った」と報じるなど、欧州最多、世界でも5番目になったことが明らかとなり、一部で話題に。そうしたなか、アイルランド外相が「英国とEUの通商交渉、今週の決着は困難で来週に持ち越される」との考えを示したことが失望を誘い、為替市場ではポンド売りの要因となっていた感を否めない。
対して後者は、米大統領選での敗北後、初めて公の場に姿を現したトランプ氏が話題になるも、発言はなし。そうしたなか、米ジョージア州務長官が「手作業での再集計」を命じたことを明らかにして物議を醸す。再集計は今月20日が期限とされるなか、果たして間に合うのかといったことを気にする声も。
一方、バイデン氏は本日早朝に菅首相や文韓国大統領らと相次ぎ電話会談。そのなかで、バイデン氏は尖閣諸島について、米国の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用範囲であるとの見解を示したという。
<< 欧米市場の見通し >>
先で取り上げた英国の新型コロナ報道など、欧米諸国を中心として新型コロナの感染拡大が引き続き話題に。かくいう日本も12日、東京都で新たに393人の新型コロナ感染が確認されるなど、本格的な冬を前に「第3波襲来」が懸念されている。一方で、ワクチン開発については幾つかの明るい話なども聞かれており、金融市場はいましばらく両者のせめぎ合いか。それぞれの続報あるいは関連ニュースなどに注意を払いたい。
そうしたなか、依然として市場筋の注目を集めているのは米株の動き。昨日はいまひとつ波に乗り切れなかったナスダック指数が反発に転じた反面、堅調推移をたどっていたNYダウは逆に利益確定売りなどに押されている。いまだ不安定な状況をたどっているといって間違いない。なお、時間外取引のなかNYダウ先物など米株3指数は、いずれも本稿執筆時マイナス圏で推移しており、これが現物市場に波及するのか注目だ。
テクニカルに見た場合、10日のNY時間に105円台を回復後、「しっかり」と下回ることはなく、ドル底堅い。104.80円レベルに位置する移動平均の21日線が引き続きサポートになっているようだ。
しかし、ドルの上値も重く、同じ移動平均の90日線(105.70円前後)が抵抗として寄与している感がある。つまり、ザックリ言って104.80-105.70円、およそ1円のレンジを上下どちらに放れるのかがまずは注目されそうだ。
材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事」、「トルコ情勢」などが注視されている。
一方、本日の材料としては、10月の消費者物価指数や週間ベースの米新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表されるほか、米財務省による30年債の入札も実施される見込みだ。また、昨日から実施されているECBフォーラムにおいて、パウエルFRB議長やベイリー英中銀総裁らが参加しパネルディスカッションが行われる予定。それなりに材料は少なくないのかもしれない。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2020.11.13
ドル円、リスク選好ムード後退で反落。米CPIの冴えない伸びも重石(11/13朝)
12日(木)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。