オーストラリアドル週報(2020年11月第1週)

現状はバイデン候補勝利と追加経済対策への期待からリスクオンとなりドル売り優勢の中、豪ドルは対米ドル、対円で堅調に推移しています。

オーストラリアドル週報(2020年11月第1週)

豪ドル/円、上値トライの動き。75.50超えで終えれば下値リスクがやや後退。

11月3日、豪準備銀行は政策金利(キャッシュ・レート)を市場予想通り0.25%から0.10%に引き下げました。声明では「雇用、インフレの観点から金融と財政支援は暫くの間必要」また、「インフレターゲットに持続的に収まるまでは利上げしない」は従来通りですが、「債券購入プログラムの規模を検討中」などさらなる金融緩和の可能性を示唆しています。また、4日に発表された豪9月の小売売上高は前月比▼1.1%でしたが、市場予想よりは良い結果となりました。しかし、今週の最大の注目材料は米大統領選の勝敗で、バイデン候補が有利のまま週末を迎えていますが、トランプ陣営が法的措置を講じて正式な結果発表が遅れる可能性もあり、為替市場にも波乱を起こす可能性があります。現状はバイデン候補勝利と追加経済対策への期待からリスクオンとなりドル売り優勢の中、豪ドルは対米ドル、対円で堅調に推移しています。

チャートを見ると、10/29に付けた73.14を直近安値として反転、上昇に転じていますが、8/31に付けた78.46を直近高値として上値を切り下げて来た流れからは上抜け切れておらず、下値リスクを残した状態です。75.50超えで終えれば下値リスクが若干後退しますが、短期トレンドは76円台を回復して終えない限り、下値リスクを残します。日足の上値抵抗は75.40-50、76.10-20、76.50-60に、下値抵抗は74.50-60、74.00-10にあります。74円割れで終えた場合は下値リスクがやや高くなります。21日移動平均線は74.77に、120日線は75.15にあり、若干上抜け来ましたが“ダマシ”の範囲内です。しかし、200日線は72.83に位置しており、中期トレンドをサポートしています。

一方直近の週足を見ると、小幅続落となりましたが、今週は下値を攻めきれずに上値余地を探る動きに転じており、先週の下げ幅を取り返しています。しかし、2017年9月に付けた90.30を基点として上値を切り下げる流れに変わりないことや、8/31に付けた78.46を基点とする短期的なレジスタンスラインの下に入り込んだ状態にあることから、下値リスクがより高い状態に変わりありません。週足の上値抵抗は75.50-60、76.30-40に、下値抵抗は74.00-10、73.30-40にあります。31週、62週移動平均線は73.80と73.31にあり、強い下値抵抗として働いていますが、72.50割れで越週した場合は中期トレンドが変化して一段の下落リスクが生じます。

豪ドル/円、上値トライの動き。75.50超えで終えれば下値リスクがやや後退。

11/5現在、31週、62週移動平均線は73.80と73.31にあり中期トレンドは“豪ドル強気”を維持している。

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