米大統領選は拮抗、引き続き予断許さず(11/4夕)

4日の東京市場は、ドル買い優勢。一時10月21日以来となる105.30円台まで上昇する局面も観測されていた。

米大統領選は拮抗、引き続き予断許さず(11/4夕)

米大統領選は拮抗、引き続き予断許さず

〇4日の東京市場はドル買い優勢、一時10/21以来となる105.30台まで上昇
〇中国アリババ・グループ傘下の金融会社アント・グループがIPOの延期を発表
〇米大統領選、トランプ、バイデンとも獲得選挙人数200人以上で拮抗状態
〇本日は10月ADP雇用統計やISM非製造業総合指数、明日はFOMCが政策金利発表予定
〇欧米時間の予想レンジ104.40-105.60

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場は、ドル買い優勢。一時10月21日以来となる105.30円台まで上昇する局面も観測されていた。

ドル/円は104.45円前後で寄り付いのち、やや荒っぽい変動をたどりつつも104円台でのレンジ取引。早朝から伝えていた米大統領選の出口調査の結果などに一喜一憂する展開をたどっていた。
しかし、東京昼ごろにかけレンジを上抜けすると、ストップロスを巻き込み日中高値の105.30円台へ。そのレベルでは上げ渋っただけでなく、再び104円台へと振り落とされるもドルの下値は堅かった。16時現在では104.95円前後で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国アントをめぐる動き」と「米大統領選」について。
前者は、今月5日、上海証券取引所と香港取引所への新規株式公開(IPO)を予定していたアリババ・グループ傘下の金融会社アント・グループがIPOの延期を発表し、思惑を呼ぶ。ちなみに、ロイターではアント・グループをめぐり、中国の金融当局がアリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏らとの面会で、「オンライン融資事業を一段と厳しく監視すると伝えていたことが分かった」と報じており、今回のIPO延期にも何らかの影響を及ぼした可能性が取り沙汰されていた。
対して後者は、本日の東京早朝から米大統領に関する出口調査の結果や、開票速報などが伝えられると、それらに金融市場も一喜一憂。為替もさることながら、時間外で取引されているNYダウ先物はかなりの乱高下で、非常に荒っぽい変動をたどっている。実際、トータルの変動幅は700ドル近くにも及んでいたようだ。なお、米大統領選は選挙人の数が538人で270人以上が過半数だが、現状トランプ氏、バイデン氏とも200人以上をすでに獲得し、拮抗しているもよう。

<< 欧米市場の見通し >>

注目の米大統領選は、トランプ米大統領が「今夜声明を発表する」との考えを示すなど、事実上の勝利宣言を出した格好ともいえなくないが、実際のところは前述したとおり獲得選挙人の数などは拮抗状態でいまだ事態は流動的。まだまだ一波乱、二波乱ありうるようにも思っている。一方、バイデン氏は「すべての開票が終わるまで選挙は終わらない」と主張、仮にそうだとしたら新大統領の決定はかなり後ズレする可能性もありそうだ。
いずれにしても、株式市場を中心に金融マーケットは非常にボラタイル。そして、市場は「バイデン氏勝利」ということを事前に織り込んでいただけに、足もとのような拮抗状態、あるいはトランプ氏の善戦は「正直想定外」といった声も少なくない。仮に、今後さらにトランプ氏有利といった観測が広がれば、これまで蓄積されてきたポジションのさらなる巻き戻しが観測されても不思議はなさそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去2週間近く続いていたレンジの上限である105円を東京時間に一時超えてきた。そののち104円台へと回帰しており、「しっかり超えた」と言えないところが痛し痒しだが、リスクという意味ではドル高方向にバイアスか。このあと再び高値トライし、超えていけば10月20日高値で、移動平均の90日線も近い105.75円がターゲットに。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか本日の材料としては、10月のADP雇用統計や同ISM非製造業総合指数などの米経済指標が発表される予定だ。それらは通常、市場の関心が非常に高い指標だが、前段で指摘してきた「米大統領選」に加え、明日に「FOMCが政策金利発表」を行うとあっては影響も限られるか。仮に米指標で動いたとしても一時的、次の流れを形成するような展開は予想しにくい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.40-105.60円。本日東京で示現したドル高値105.35円前後が最初の抵抗か。上抜けると、10月20日高値の105.75円がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、104.70-80円が弱いサポートとして意識されつつあるものの、しっかりした下値メドとなると、本日早朝に記録した104.35円レベルか。下回れば104.10-15円そして直近安値の104.03円などが意識されそうだ。

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ドル円日足

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