南アランド週報:『約3ヵ月ぶり高値更新後に急反落。資産現金化の流れが重石』(10/31朝)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、10/27に、約3ヶ月ぶり高値となる6.50円まで上昇しました。

南アランド週報:『約3ヵ月ぶり高値更新後に急反落。資産現金化の流れが重石』(10/31朝)

『約3ヵ月ぶり高値更新後に急反落。資産現金化の流れが重石』

〇南ア円週初約3か月ぶりの高値圏の6.50まで上昇するも、リスクセンチメント悪化で一時6.31まで急落
〇リスク回避のドル買いとともに資産現金化需要に伴う金相場下落も重石に
〇南ア円テクニカルには地合い強いがファンダメンタルズの弱さを背景に反落リスク警戒される
〇株式、貴金属市場動向、米大統領選注視
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.20ー6.55

今週のレビュー(10/26−10/30)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.46円で寄り付いた後、翌10/27に週間高値6.50円(7/23以来、約3ヵ月ぶり高値圏)まで上昇しました。しかし、ボリンジャーバンド上限に続伸を阻まれると、@新型コロナウイルスの感染拡大に端を発したリスク回避ムードの再燃や、A上記@を背景とした資産現金化需要の高まり(金価格をはじめとした貴金属市場の急反落→南アランド円相場の下落)、B米中対立激化懸念、Cムボウェニ財務相による中間予算案でのGDP見通しの下方修正及び公務員の昇給凍結(2021年度から3年間昇給を凍結する考えを表明→労働組合との協議難航必至→財政健全化への道のりは険しいとの思惑)、D南ア9月消費者物価指数(結果3.0%、予想3.1%)の低下(南ア中銀のインフレターゲット下限に達したことで、次回会合での利下げ観測が再燃)が重石となり、週後半にかけて、週間安値6.31円まで急落しました(10/16以来、約2週間ぶり安値圏)。引けにかけて持ち直すも上値は重く、結局6.43円前後での越週となっております。

来週の見通し(11/2−11/6)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、10/27に、約3ヶ月ぶり高値となる6.50円まで上昇しました。この間、一目均衡表雲上下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線、200日移動平均線を突破するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております(但し、週後半にかけて6.31円付近まで値を崩したことから、来週は短期的な反落リスクに要警戒=米大統領選後にボラティリティが一段と拡大する恐れあり)。

ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限→景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす恐れ)、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(資産現金化需要の高まりを通じて貴金属市場低迷→南アフリカランド下落の波及経路)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料が残っています。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、ポジション調整圧力の高まりや、ファンダメンタルズ的な弱さを背景に、反落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスや米中対立激化に関するヘッドライン、株式市場及び商品市況(特に貴金属市場)の動向、米大統領選挙の結果を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.20ー6.55(米大統領選挙を迎える週となることから、予想レンジは通常時より広めに呈示させていただきます)

注:ポイント要約は編集部

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