注目材料多いなか、とくにECB理事会要注意(10/29夕)

29日の東京市場は、レンジ内での乱高下。一時104円半ばまで買い進められたが、上値も重く、再びドル売りに押されている。

注目材料多いなか、とくにECB理事会要注意(10/29夕)

注目材料多いなか、とくにECB理事会要注意

〇ドル円、日中高値の104円台半ばで上げ渋ると行って来いの様相、104.35前後で欧米時間迎える
〇欧州での新型コロナの拡散止まらず、ドイツやフランスではロックダウン強化
〇EUと英国の通商交渉はいくつかの問題で解決に向けて進展したと報道され、続報に要注意
〇本日発表の米7-9月期GDP統計速報や週間ベースの新規失業保険申請件数、ECB理事会の内容に注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ103.90-104.70

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場は、レンジ内での乱高下。一時104円半ばまで買い進められたが、上値も重く、再びドル売りに押されている。

ドル/円は104.30-35円で寄り付いたのち、ドルはじり高推移をたどると、日中高値の104円半ばへ。前日に900ドルを超える下落となった反動もあり、時間外で取引されているNYダウ先物は堅調に推移し好感されていたものの、日経平均株価は冴えない股裂き商状で、一方的なドル買いにも限界が。104円半ばでは上げ渋ると「行って来い」の様相、104.30-35円へと軟化している。結局、16時現在では104.35円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「欧州における新型コロナ」と「日本の経済・金融状況」について。
前者は、イタリア政府が「新規感染2.4万人、2日連続で過去最多を更新」と発表したほか、ドイツそしてフランスが細かいところでの違いはあるものの、ロックダウン(都市封鎖)強化を実施することをそれぞれ明らかにしている。欧州を中心に新型コロナの拡散が止まらない状況だ。なお、そうしたなかブルームバーグは、新型コロナの感染第2波を受け、「ECBが29日の政策決定会合で、予防的に金融緩和策を講じるとの見方が急速に強まりつつある」と指摘。物議を醸していた。
対して後者は、菅首相が参院代表質問で2020年度3次補正予算に関連し、「必要ならば予算上の措置も含めて追加策を検討する」と発言するなか、日銀が政策理事会を行い「金融緩和の据え置き」を決定している。ただ、そののち黒田総裁が会見を行い、「景気の改善基調は緩やかなものになる」、「内外経済への影響は不透明感が強い」などと慎重な景気見通しを示していた。

<< 欧米市場の見通し >>

11月3日の「米大統領選」そして「米上院選」が混戦模様を呈するなか、前述したような欧州を中心とした「新型コロナの感染拡大」が嫌気されており、世界的な株安となっている。東京時間の時間外取引はNYダウ先物が300ドルを超える堅調推移をたどっていたが、果たして買い戻し傾向はいつまで続くのか。NYダウなどが再び崩れるようだと、為替市場においても一服しているドル安が再燃する可能性もある。
一方、それとは別に「英とEUの通商交渉」ならびに「米の新型コロナ経済支援協議」の行方についても、引き続き要注意。ともに膠着感が強く、早期の妥結はもはや見込みにくいと目されているものの、前者についてブルームバーグが「EUと英国の通商交渉は今週に入り、意見が大きく対立していた幾つかの問題で解決に向けて進展を見せた」と期待を抱かせる内容を報じていたことは気掛かり。続報などにも要注意だ。

テクニカルに見た場合、ドルは9月安値に迫る104.12円まで昨日下落するなど、リスクはほぼ間違いなくドル安方向にバイアス。米株の動き次第では、そんな下値を試す展開をたどっても不思議はないだろう。
ただ、レベル的には日本の当局者などによる「口先介入」にも要注意。継続的な効果はともかく、一時的なドル下支え効果は無視できないかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか本日の材料としては、7-9月期GDP統計速報や週間ベースの新規失業保険申請件数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。それらの内容如何では為替市場に影響も。また、本日は欧州ファクターにも要注意で、とくにECB理事会による金融政策の発表を注視している向きは少なくない。果たして、ブルームバーグが指摘した「予防的金融緩和策を講じる」ことはあるのだろうか!?

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.90-104.70円。本日の東京高値にあたる104円半ばが最初の抵抗として意識されている。超えると、26日に記録したドル高値105.05円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値ならびに9月安値である104.00-10円をめぐる攻防にまずは注目。下回るようなら当然103円台突入で、年初来安値101.19円を起点とした大きな上げ幅のフィボナッチ76.4%戻しにあたる103.65-70円を目指す展開か。

注目材料多いなか、とくにECB理事会要注意

ドル円日足

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