レンジ下放れ、ドル安続く可能性も
〇ドル円、一時104.75レベルまで値を上げたがドル買い続かず、104.60前後で欧米時間迎える
〇EUと英国が電話会談し通商交渉を22日から再開、交渉の進展期待が高まる
〇本日は米大統領候補による3回目の公開討論会が実施の見込み
〇本日発表の米経済指標だけでなく、ダラス連銀総裁など欧米要人による講演内容にも注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.00-105.00
<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、ドルが小じっかり。寄り付いた104円半ばを安値に底堅いが、上値も重く104円後半ではやや上げ渋り様相も。
ドル/円は寄り付いた104.50-55円を日中安値に底堅い値動き。日米株価の動きなどをにらみつつ、昨日大きく下げたことの反動もあり、一時104.75円レベルまでわずかに値を上げたがドル買いは続かなかった。夕方にかけては全戻し104.50-55円割れまで小緩むと、16時現在では104.60円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、値幅そのものは限られたが豪ドルが弱含み。対円では直近安値の74.20円を割り込み、9月安値である73.98円を視界内に捉えた動きをたどっていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米の新型コロナ経済支援協議」について。
前者は、EU離脱にともなう交渉を担う英国のフロスト首席交渉官が、バルニエEU首席交渉官と電話会談を行ったと指摘したうえで、「通商交渉を22日から再開、集中的な協議を毎日実施する」旨を明らかにしたことが話題に。市場では、これまでの諦めムードから一転、交渉の進展期待が高まる結果に。
対して後者は、ペロシ米下院議長が決めた当初の協議期限である20日を過ぎたものの、ムニューシン財務長官を相手とした交渉そのものは依然として続いており、実質延長されている。昨日も交渉は実施され、合意は出来なかったが、着実に前進しているようだ。実際、協議終了後にペロシ氏から「合意の見込みはあると考えている」、メドウズ米大統領首席補佐官からも「向こう48時間以内の合意を目指している」、カドローNEC委員長「協議は好ましい方向に向かって進んでいる」などといった楽観的なコメントが複数聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
欧州を中心とした「新型コロナの感染拡大ならびに、各国の対応策」や、本22日に再開される「英とEUの通商交渉」、そして「米の新型コロナ経済支援協議」などへの関心が高い。
ただ、本日は注目の「米大統領候補による第3回の公開討論会」が実施される見込みで、そちらをまずは警戒している向きが少なくないようだ。ちなみに、世論調査などで劣勢とされる現職のトランプ氏は、バイデン氏と息子であるハンター氏が「ロシアと中国から多額の金を受け取った」疑惑をメインに一発逆転を狙ってくる可能性が高いとされる反面、バイデン氏は米紙が報じた「トランプ大統領が中国で銀行口座を保有している」との話で対抗するとの指摘が聞かれていた。
テクニカルに見た場合、再三再四取り上げてきた過去1ヵ月程度のレンジ下限である105円レベルを、昨日欧米タイムにしっかり割り込むと、その後も104円台での推移となっている。昨年から今年の相場は「ダマシ」が多いことは気掛かりだが、レンジの下限割れもあり、基本的なリスクは下向きか。ドルの続落には注意を払いたい。
なお、9月安値104円ちょうどを起点としたフィボナッチでは76.4%戻しの104円半ばも一時下回っており、やや時間をかけつつも100%戻しを否定出来ないようだ。
材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
そうしたなか本日の材料としては、9月の景気先行指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表されるほか、ダラス連銀総裁をはじめとする欧米要人による講演などの発言機会も引き続き多く、波乱要因として注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.00-105.00円。本日東京高値である104.75円レベルが最初の抵抗。超えると、これまでサポートとなっていた105円レベルが今度は抵抗になるのか否か、攻防が注視されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日記録したドル安値104.35円が下値メドとして意識されている。割り込んだ場合には、いよいよ9月安値104円ちょうどが名実ともにターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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