ドル円、直近安値圏から持ち直す展開。本日は米大統領討論会がメインイベント(10/23朝)

22日(木)の外国為替市場でドル円は反発。

ドル円、直近安値圏から持ち直す展開。本日は米大統領討論会がメインイベント(10/23朝)

ドル円、直近安値圏から持ち直す展開。本日は米大統領討論会がメインイベント

〇ドル円米追加景気対策期待、欧米株上昇で104円台後半に反発
〇ユーロドル前日上昇の反動、欧州圏ウイルス感染拡大、ユーロ圏経済指標の不冴えで1.18台前半に反落
〇トルコ中銀予想外の金利据え置きトルコ売り強まる
〇ドル円テクニカルには地合いの弱さ印象づけるチャート形状
〇ファンダメンタルズもドル円下落材料多い
〇10時からの大統領候補TV討論会に注目
〇本日の予想レンジ:104.20ー105.20

海外時間の為替概況

22日(木)の外国為替市場でドル円は反発。@前日海外時間に急落(前日高値105.53→前日安値104.33)した反動(自律反発)や、A米追加景気対策期待の高まり(ペロシ下院議長が合意に楽観的な見方を示したこと)、B欧米株の上昇を背景としたリスク選好の円売り圧力、C米主要経済指標の力強い結果(米中古住宅販売件数が2006年以来の最高水準を記録した他、米新規失業保険申請件数も良好な結果)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値104.89まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時15分現在)では、104.88近辺で推移しております。

22日(木)のユーロドル相場は軟調な展開。@前日海外時間に急伸した反動や、A欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大懸念、Bユーロ圏経済指標の冴えない結果(ドイツGFK消費者信頼感指数や、フランス企業景況感指数、ユーロ圏消費者信頼感指数が軒並み市場予想を下回る結果)、C米主要経済指標の良好な結果(ドル買い)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1812まで反落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時15分現在)では、1.1818近辺で推移しております。

尚、昨日はトルコ中銀が利上げ予想に反して政策金利の据え置きを決定(結果10.25%、予想12.00%、前回10.25%)。市場ではトルコリラが対ドルで大きく売られる展開となっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、10/7に記録した約3週間ぶり高値106.12をトップに反落に転じると、10/21には一時104.33(約1ヵ月ぶり安値)まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い下落トレンド入りを示唆する弱気のバンドウォークも発生するなど、テクニカル的にみて、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております(昨日は自律反発に転じるも節目105円の回復には至らず)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立先鋭化リスク(トランプ米大統領は中国の6メディアを「宣伝組織」に認定し、中国外務省は対抗措置を講ずる構え)、C米政治の先行き不安(本日の米大統領候補討論会や、11/3の米大統領選への不透明感)、D朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧米を中心に感染拡大の動き)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、H米追加景気対策の後ずれリスク(追加景気対策を巡る報道は二転三転)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスや米追加景気対策を巡るヘッドライン、欧米株や欧米長期金利の動向、欧米の主要経済指標の結果(ユーロ圏10月製造業及びサービス業PMI、米10月製造業及びサービス業PMI)、米大統領候補討論会(最終討論)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(本日のメインイベントはトランプ氏とバイデン氏の最後の大統領候補討論会。日本時間午前10時に開始予定)。

本日の予想レンジ:104.20ー105.20

注:ポイント要約は編集部

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