15日交渉期限切れるも、英国情勢依然要注意(10/16夕)

16日の東京市場は、ドルが小安い。前日NY終盤の流れを継ぎ、緩やかな右肩下がり。ただ105円は割り込めず、一抹の底堅さも。

15日交渉期限切れるも、英国情勢依然要注意(10/16夕)

15日交渉期限切れるも、英国情勢依然要注意

〇ドル円、緩やかな右肩下がりだが105円は割り込めず
〇WHO担当者、欧州で「冬が訪れる前に厳しいコロナ抑制策が必要」と発言
〇追加のコロナ経済対策案、ムニューシン「大統領選前の合意目指して引き続き努力する」
〇ジョンソン首相、本日「英EU通商交渉」協議継続か否かの判断を下す
〇本日は、米9月小売売上高や鉱工業生産が発表予定
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ104.90-105.70

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場は、ドルが小安い。前日NY終盤の流れを継ぎ、緩やかな右肩下がり。ただ105円は割り込めず、一抹の底堅さも。

ドル/円は105.40円レベルで寄り付いたのち、しばらく揉み合い。しかし、底割れすると日中安値である105.20円までじりじりと値を下げている。ただ、全般的に動意に欠ける展開で、明確な方向性はうかがえなかった。16時現在、ドル/円は105.30円前後で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米国の追加経済対策案」について。
前者は、欧州を中心とした「感染拡大第2波」が取り沙汰されるなか、WHOの担当者は、その欧州で「冬が訪れる前に厳しいコロナ抑制策が必要」などと発言。さらなる対応を呼び掛けていた。また、欧米要人などに繋がるコロナ感染報道が幾つか観測されており、たとえば「欧州委員長、スタッフのコロナ陽性でEUサミットを途中退席」、「米副大統領候補ハリス氏、スタッフのコロナ感染で18日まで遊説活動を取りやめ」−−などと伝えられている。また、後者との絡みかバイデン氏の隔離も一時取り沙汰されたが、選挙陣営が「隔離は不要」と発表していた。

対して後者は、前日には追加のコロナ経済対策案をめぐり、「大きな隔たりが存在する」と認めたうえで、来月3日の米大統領選までの合意に懐疑的な見方も示していたムニューシン米財務長官だったが、この日は「大統領選前の合意目指して引き続き努力する」と前言をやや前向きに修正した発言が聞かれている。なお、トランプ米大統領は当初1.8兆ドルとしていた追加対策の増額を指示したとされるが、与党共和党の上院トップであるマコネル院内総務は大統領の提案を一蹴したようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

本日の東京午前に実施された、トランプ氏とバイデン氏の対話集会は、ともに自身への支持を聴衆へ呼び掛けるとともに、新型コロナ対策などをめぐり双方を非難しあうという姿が多く見受けられていた。あまり実のある話があったとは思えないが、マーケットのみならず一般的にもテレビ中継されたことによる視聴率を注目している向きが多いようだ。こののち発表されるテレビ視聴率には一応要注意かもしれない。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。いわゆる米国ファクターにも注意すべきものは少なくないが、短期的には「英国情勢」、さらに言えば「英EU通商交渉の行方」が注視されている。昨日実施されたEU首脳会議では、協議に十分な進展が見られないことへの「懸念」を声明で示したうえで、英国に対しては譲歩を呼び掛けていたが、果たして英国が歩みよることができるのだろうか。そんななか、英国ではジョンソン首相が本日にも協議継続か否かの判断を下すとされている。結果次第では波乱もありそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は依然としてレンジ取引。過去3週間程度104.95-106.11円という1円強の値動きをたどっていることは何度もレポートしているが、話を今週だけに限ると、なんと105.04-83円で、わずか79銭レンジに過ぎない。ちなみに、今年のドル/円は週間レンジが1円未満ということも決して珍しくはないものの、それが3週続くというのは初めてだ。いずれにしても、レンジからの脱却があるか否かが注視されている。

一方、本日は、9月の小売売上高や同鉱工業生産といった米経済指標が発表される予定となっている。また、引き続き欧米要人による講演などの発言機会も引き続き多いうえ、ステートストリートなどによる決算発表も相次ぐ見通しだ。
さらには、先で指摘した「英首相によるEUとの通商交渉に関する発言」にも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.90-105.70円。引き続き下回って推移している移動平均の21日線(105.40円レベル)をめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ、105.49円や105.62円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、14日安値の105.04円が最初のサポートとして意識されている。割り込めば過去3週間に及ぶレンジ下限の104.95円、あるいは9月安値を起点とした短期フィボナッチを参考にしたテクニカルポイント104.80円レベルなどを目指す展開か。

15日交渉期限切れるも、英国情勢依然要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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