約3週間ぶり高値圏へ上昇するも200日線が強力なレジスタンス
〇南ア円リスク選好の回復と貴金属相場の持ち直し等で一時6.45まで急伸
〇テクニカルの地合い強く、200日線突破可否が当面の焦点
〇ファンダメンタルズには国内外に懸念材料残る
〇南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.20ー6.50
今週のレビュー(10/5−10/9)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.37円で寄り付いた後、翌10/6にかけて、週間安値6.30円まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドに続落を阻まれると、@トランプ米大統領の早期退院報道や、A米追加景気対策期待、B上記@Aを背景としたリスク選好ムード(株高→リスクオン→南アランド買い)、C金や銀など貴金属市場の持ち直し(金価格上昇→南アランド買い)、D南アフリカの追加景気対策期待(一部メディアより「ラマポーザ南ア大統領は10/15に経済対策を発表する」と報道)が支援材料となり、週末にかけて、一時6.45円(約3週間ぶり高値圏)まで急伸しました。もっとも、同水準では上値も重く、200日移動平均線(6.45円)に続伸を阻まれると、引けにかけて再び反落。結局6.41円前後まで押し返されての越週となっております。
来週の見通し(10/12−10/16)
南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、約3週間ぶり高値となる6.45円まで上昇しました。この間、一目均衡表雲上下限や、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。目先は強力なレジスタンスとして意識される200日移動平均線を突破できるか否かに注目が集まります。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限→景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす恐れ、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧米を中心に感染再拡大傾向→資産現金化需要の高まりを通じて貴金属市場低迷→南アフリカランド下落の波及経路に要注意)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料が引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。新型コロナウイルスに関するヘッドラインや、株式市場及び商品市況(特に貴金属市場)の動向、南アフリカの経済指標の結果(10/12の南ア8月製造業生産高、10/14の南ア8月小売売上高、10/15のラマポーザ南ア大統領による経済対策発表など)を睨みながらも、当方では、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(来週は200日移動平均線をバックに戻り売りが強まると予想。脆弱な経済ファンダメンタルズや世界的な新型コロナウイルス感染再拡大傾向も貴金属市場の低迷を通じて南アランドの重石に)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.20ー6.50
注:ポイント要約は編集部
南アフリカ円日足
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2020.10.12
ランド円ショートコメント(2020年10月12日)
実際のレンジは安値が6.30レベル、高値が6.46レベルと、わずか16銭の狭い値幅で落ち着いた動きになりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2020.10.05
ランド円レポート月曜版(2020年10月5日)
先週のランドは、前週にそれまでのもみあいを下抜けランド売りが強まった動きに対して、買い戻しが強まり再び3週前までのもみあいレンジに戻した動きとなっています。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。