容体ならびにトランプ発言要注意(10/7夕)

7日の東京市場は、ドルが小じっかり。レンジは狭いが「寄り付き安・大引け高」、緩やかな右肩上がりをたどっていた。

容体ならびにトランプ発言要注意(10/7夕)

容体ならびにトランプ発言要注意

〇ドル円、じり高推移で夕方には日中高値105.75-80まで値を上げる
〇ミラー米大統領補佐官が陽性判定、米要人の感染拡大が観測される
〇時間外で取引されていたNYダウ先物、マイナス圏からプラス圏へと転じる
〇本日、米副大統領候補による討論会が開催
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.40-106.20

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場は、ドルが小じっかり。レンジは狭いが「寄り付き安・大引け高」、緩やかな右肩上がりをたどっていた。

ドル/円は寄り付いた105.55-60円を日中安値にじり高推移。牛歩のようなスピードながら、夕方には日中高値である105.75-80円まで値を上げている。当初は100ドル程度下落する局面も観測されていた時間外取引のNYダウ先物が、そののちプラス圏へと転換。逆に100ドルを超える上昇となったことが好感されていたという。16時現在でも、日中の最高値圏で推移すると、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「トランプ氏容体」と「米国における新型コロナ感染」について。
前者は、わずか3日の入院のみで退院したトランプ米大統領だが、主治医であるコンリー氏は記者会見で、「症状はなく極めて良好な状態」にあると指摘していた。また、トランプ氏自身も意気軒昂。ツイッターを利用し、「体調は良い。バイデン氏との第2回討論会を楽しみにしている」と書き込んだことまではよかったが、筆が滑ったのか、「コロナは大半の人にとってそれほど致死的ではない」などと、コロナの脅威を改めて過小評価する主張も同時に投稿。後者については、米ツイッター社から、トランプ大統領の投稿に誤解を招く情報が含まれている恐れがあるとし、警告ラベルが表示されてしまった。

対して後者は、トランプ氏がコロナに感染した米ホワイトハウスを中心に、要人の感染拡大などが観測されると物議を醸す。たとえば、ミラー米大統領補佐官が検査で陽性判定が出たことを明らかにしたほか、WHではないが、複数メディアが「米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長をはじめとする米軍幹部が新型コロナウイルスの感染者と接触したことが判明し、自主隔離に入った」などと報じていた。なお、そうした事態について、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、「一連の新型コロナウイルスの感染は回避可能だった」との見解を示していたという。

<< 欧米市場の見通し >>

入院先の病院からホワイトハウスへと戻ったトランプ米大統領の症状については、引き続き警戒を要するが、現状は取り敢えず小康。それが市場の安心感の一端を担っている感を否めない。前述したように、時間外で取引されていたNYダウ先物もマイナス圏からプラス圏へと転じており、そんな米株高がこのあとも続けば、ドル/円についても強い下支え要因となる可能性もある。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「米大統領選」、「コロナに感染したトランプ氏の容体」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。そのうち「英国情勢」については、一応15日が期限となっているEUとの通商交渉の行方が引き続き気掛かりなほか、「米国情勢」としてはトランプ氏が「経済対策案をめぐる民主党との協議を大統領選前後まで停止するよう指示した」などと述べたことを注視する向きも少なくないようだ。トランプ氏の発言を中心に、続報などには是非とも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、「大山鳴動して鼠一匹」というべきなのか、トランプ氏の容体をめぐり大騒ぎしている割に、為替の変動がついてきていない。ドル/円はレンジの上限である105.80円が非常に重く、トライするもいまだ超えることは出来ていない状況だ。このあとも、同レベルの攻防にまずは要注意。

一方、本日は、幾つか米経済指標が発表されるものの、市場の関心はいずれも低く、基本的に影響は軽微か。ただ、9月15-16日分のFOMC議事録が公表される見通しで、こちらは一応要注意。
また、米地区連銀総裁などによる講演が依然として多いうえ、「米副大統領候補による討論会」が開催される見込みとなっている。要人発言には引き続き注意を払いたいところだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.40-106.20円。9月30日に示現したドル戻り高値105.80円が、ことのほか強い抵抗となっている感がある。ただ、しっかり上抜ければ106円台回復は意外に早いかもしれない。
対するドル安・円高方向は、移動平均の21日線も位置する105円半ばが、引き続き弱いサポートとして意識されている。割り込めば、先週末安値「トランプショック」で下落した際に記録した104.95円がターゲットだが、近くて遠い印象だ。

容体ならびにトランプ発言要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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