ドル円、トランプ米大統領による的を絞った支援策案の発表を受けて急伸(10/8朝)

7日(水)の外国為替市場でドル円は上昇。

ドル円、トランプ米大統領による的を絞った支援策案の発表を受けて急伸(10/8朝)

ドル円、トランプ米大統領による的を絞った支援策案の発表を受けて急伸

〇ドル円トランプ大統領の部分的経済支援策提案と追加景気対策協議再開報道に一時106.11まで上昇
〇9月FOMC議事録ではフォワードガイダンスをめぐり意見相違明らかになるも相場には影響せず
〇ユーロドルリスク選好ムードに1.1782まで上昇後、ラガルドECB総裁のハト派発言等で1.1765まで反落
〇ドル円テクニカルには「雲」下限を上抜け持ち直しの兆し
〇ファンダメンタルズには不安材料多い
〇引き続き一巡後の反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:105.50ー106.30

海外時間の為替概況

7日(水)の外国為替市場でドル円は上昇。@トランプ米大統領が「航空会社や中小企業などへの的を絞った支援策(案)」を打ち出したこと(ドル高)や、A上記@を背景とした米主要株価指数の急伸(リスク選好の円売り)、Bムニューシン米財務長官とペロシ下院議長による協議再開報道(米追加景気対策期待の再燃)、C心理的節目106.00を突破したことに伴うショート勢のロスカット(ストップBUY)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値106.11まで上昇しました(9/14以来の高値)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、106.05近辺で推移しております。尚、昨日発表されたFOMC議事要旨では、「フォワードガイダンスは無条件の確約では無い(当局者間での意見相違)」との見解が示されましたが、市場の反応は限定的となりました。

7日(水)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@トランプ米大統領による的を絞った支援策案の発表や、A上記@を背景としたリスク選好ムード(株高→ドル売り・円売り)、B英合意無き離脱リスクの後退(フロスト英・欧州連合担当交渉官による「欧州連合との合意に向けて真摯に取り組んでいる」との発言や、バルニエ主席交渉官による「英国との交渉が15日ー16日のサミット以降も継続する予定」との発言)、Cバイトマン独連銀総裁による「ユーロ高を過剰に解釈しない」との発言が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1782まで上昇しました。しかし、前日高値1.1809をバックに伸び悩むと、Dイタリア政府による非常事態宣言の延長や、EラガルドECB総裁によるハト派的な発言が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1765近辺まで値を下げる展開となっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、9/21に記録した約半年ぶり安値104.00をボトムに反発に転じると、昨日は9/14以来となる高値106.11まで上昇しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲下限を上抜けした他、心理的節目106.00も突破するなど、テクニカル的にみて、「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております(目先は106.18近辺に位置する一目均衡表雲上限を突破できるか否かに注目)。

しかし、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不透明感(11/3に予定されている米大統領選への不透明感)、D朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(ロックダウン再開リスク)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク。財政の崖リスクの顕在化)、H英合意無き離脱リスクの再燃、I米追加景気対策の遅延リスク(トランプ米大統領は10/6、「追加経済対策についての協議を大統領選後まで中止する」と発言)など、ドル円相場の反落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的に持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。株式市場の動向や、米中対立及び英国情勢に関するヘッドライン、米主要経済指標の結果(米新規失業保険申請件数など)、米追加景気対策に関する続報を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の一巡後の反落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:105.50ー106.30

注:ポイント要約は編集部

ドル円、トランプ米大統領による的を絞った支援策案の発表を受けて急伸

ドル円日足

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