FRB議長はじめ、米要人による発言に要注意
〇ドル円、小高く105円台での推移
〇英ジョンソン首相「新型コロナの制限措置は6ヵ月続く公算が大きい」
〇米中対立、国連総会にて米中首脳の激しいやり合い
〇本日、パウエルFRB議長の議会証言、地区連銀総裁らによる講演に注目
〇ドル/円予想レンジは104.50-105.50
<< 東京市場の動き >>
23日の東京市場は、ドルが小高い。今週初めには安値104円ちょうどを示現したものの、本日はそこから1円以上戻した105円台での推移となっている。
ドル/円は104.90-95円でオープンしたのち、しばらくは冴えない。104.80-00円といった低位揉み合いをたどるも、上抜けると日中高値である105.20円レベルまで一気に値を上げた。その後も105円台での強保ち合いとなり、ドルは底堅く推移。16時現在では105.10-15円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨が冴えない。豪ドル/円でいえば前日辛うじて維持した75円を割り込み、7月20日以来の安値圏、74.70円台まで下落する局面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」と「米中の対立」について。
前者は、英中銀総裁から「経済を支援するために出来ることはすべて行う」などとした前向きな発言が聞かれるなか、コロナ感染者の急増が改めて示されるとポンドの弱材料に。また、ジョンソン首相から「新型コロナに関する声明」が発表され、そのなかで「完全なロックダウン(都市封鎖)に戻るわけではない」としつつも、「新型コロナの制限措置は6ヵ月続く公算が大きい」としたややネガティブな発言も聞かれ、失望を口にする市場筋も少なくなかった。
対して後者は、状況が二転三転するTikTokをめぐる動きについて、中国共産党系の新聞である環球時報は「米国の『強奪』に反対する」と表明したうえで、「中国政府が承認する可能性は低い」との見方を開陳。一方、それとは別に国連総会における演説を舞台に、米中首脳の激しいやり合いが観測され物議を醸す。トランプ米大統領が新型コロナについて、「中国ウイルス」と連呼しただけでなく、「国連は中国に責任を取らせなければならない」と述べた反面、習中国国家主席は「コロナを政治問題化するな」と発言。さらに、「汚名を着せる試みに反対しなければならない」とトランプ氏の試みを一蹴している。
<< 欧米市場の見通し >>
米ジョンズ・ホプキンス大学の調査で、新型コロナの死者数は世界全体において96万人を超え、いよいよ100万人という数字も現実味を帯びてきた。うち5分の1、つまり20万人は米国における死者であり、感染が終息する気配に乏しい。また、状況は欧州についてもほぼ同じ。前述したように、英国がコロナ再拡大を懸念し、「ロックダウン」に踏み切ったほか、ドイツやフランスなどでもコロナが再び政治問題となりつつある感を否めない。感染抑制と経済活動という相反するものに、どう折り合いをつけるのか欧米各国の政策対応が注視されている。
材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「菅新首相誕生と日本の政局」、「ベラルーシ情勢」、「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、今週は週間を通して米通貨当局者などによる発言機会が多く、要注意と目されていたが、本日もパウエルFRB議長の新型コロナに関する議会証言をはじめ、地区連銀総裁らによる講演が目白押しだ。昨日、エバンス・シカゴ連銀総裁の発言が好感されたような展開が本日も起こらないとは限らない。
テクニカルに見た場合、今週初め104円ちょうどまで一時下落していたドル/円だが、足もとは105円台で推移している。下値トライが失敗したというのは早計ながら、一旦仕切り直しになったことは間違いなさそう。若干ワイドだが、しばらくは104.00-106.50円といったなかで、再び次の方向性をうかがう展開をたどる可能性もある。
一方、本日は、9月の製造業PMI速報といった米経済指標が発表される予定となっている。ここ最近発表される米経済指標はまだら模様で決め手に欠ける状況下、本日の指標についても注視している向きは少なくないようだ。
そのほか、米財務省による5年債の入札や、先で取り上げたようにFRB議長をはじめとする講演などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.50-105.50円。短期のテクニカルポイントにあたる本日東京高値にあたる105.20円レベルが最初の抵抗。上抜ければ、移動平均の21日線が位置する105.70円レベルが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、104.30-40円の攻防がまずは注目されており、下回ると直近安値104円ちょうどが再び視界内に捉えられかねない。
ドル円時間足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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