ECB理事会を注視、ユーロの動きにも要注意(9/10夕)

10日の東京市場は、レンジ取引。引き続き106円台前半、25ポイント程度の上下動で、目立った方向性はうかがえなかった。

ECB理事会を注視、ユーロの動きにも要注意(9/10夕)

ECB理事会を注視、ユーロの動きにも要注意

〇ドル円、日中高値106.30レベルへ上げるも重く上げ渋り下値を探る展開に
〇英製薬大手アストラゼネカが中断したワクチンの治験を来週再開する可能性
〇東京都が感染警戒レベルをレベル4から3へ引き下げなど思惑を呼ぶ
〇本日発表の米新規失業保険申請件数やECB理事会とラガルと総裁の会見などに注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.60-106.50

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場は、レンジ取引。引き続き106円台前半、25ポイント程度の上下動で、目立った方向性はうかがえなかった。

ドル/円は106.15-20円でオープンしたのち、当初はややドル買い優勢。日中高値である106.30円レベルへと小幅に値を上げた。しかし、上値は重く上げ渋ると、逆に下値を探る展開に。106.05円レベルまで小緩むも106円は割り込めず。その後は106円台前半での一進一退をたどると16時現在では106.10円前後で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「英国情勢」について。
前者は、引き続き新型コロナに関するいくつかのニュースが話題となっていた。そのひとつは、ジャーナリストのウッドワード氏が、「パニック回避を目的」として、トランプ米大統領は新型コロナウイルスについて公に発言する際に「深刻さを意図的に過小評価して話していた」と指摘したこと。また、別途英紙FTが報じた「英製薬大手アストラゼネカは中断したワクチンの臨床試験(治験)を来週再開する可能性」、「NY州知事、条件付きながら月末30日以降に市内のレストランで店内飲食が可能になると発表」、「東京都が感染警戒レベルを最上位のレベル4から3に引き下げ」−−などが思惑を呼ぶ。

対して後者は、「英貿易担当幹部がTPP加盟めぐり、日本など参加11ヵ国と初協議した」ことが明らかとなる反面、通商協定ならびに離脱協定をめぐるEUとの協議は難航を極めている感を否めない。昨日も、英国がすでに合意している離脱協定の一部をほごにする内容を含む法案を提出。それに対し、欧州委員長が「国際法違反にあたる」などとして強く反発していた。

<< 欧米市場の見通し >>

レンジ取引にはまり込んでいるドル/円を尻目に、ユーロやポンドはなかなかアクティブな動き。実際、昨日のユーロ/円やポンド/円は終日を通し、ともに1円を超える変動を記録していた。ポンドについては、前述したようにEU離脱協定や通商協定をめぐる動きが引き続き注視されるほか、ユーロは本日のECB理事会が大いに注目されているようだ。一部の市場筋からは、「中長期的なトレンドを見極めるうえでも非常に重要」などとする指摘が聞かれていた。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」、「安倍首相辞任とその後継者人事」、「ベラルーシ情勢」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、さらに「毒殺未遂事件を中心としたロシア情勢」も市場の注目を集めはじめている。そうしたなか、米国については昨日主要3指数ともプラス圏となった米株の動きに本日も要注意。続伸すれば、ドル/円などの下支えに寄与しそうだ。ただ、先でも取り上げたように、市場の関心は基本的に英国やベラルーシ、トルコ、ロシアなども含めた欧州情勢。ユーロやポンドを中心とした価格変動が続く公算が大きい。

テクニカルに見た場合、昨日のドル/円は先週後半から数日間推移していた106.00-55円という狭いレンジの下限を一時割り込んだものの、結局そのレンジ内へと回帰。まだ予断は許さないが、当初からのレンジをやや拡大させただけに過ぎないのかもしれない。いずれにしても、105.79-106.55円が新たなレンジとなるのか否かがまずは注目されている。

本日は、8月の生産者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定になっている。とくに後者、雇用指標はどこまで改善傾向を示すのか、注視している向きが多いようだ。ちなみに、前回数値88.1万件に対し、今回の事前予想は85万件程度との見方が大勢か。
そのほか、本10日までの予定で実施されている英国とEUとの首席交渉官級通商協議や、ECB理事会とラガルト総裁の会見などにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.60-106.50円。本日東京高値にあたる106.30円レベルが最初の抵抗。抜ければ106円半ばを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、昨日安値にあたる105.79円の攻防がまずは注視されている。下回ると、105.20円や105.10円が視界内に入り、ターゲットとして意識されそうだ。

ECB理事会を注視、ユーロの動きにも要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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