テクニカル主導で持ち直すも一巡後の反落リスクに要警戒
〇南ア円ドル円での円高に週明け早々6.23まで下落
〇その後南アを巡る政局不透明感の後退、大統領による「南アの感染ピークは過ぎた」との発言に持ち直す
〇約1ヶ月半ぶり高値となる6.42まで急伸、6.40前後で越週
〇南ア第2四半期GDPや、経常収支、製造業生産高など注視、ファンダメンタルズ主導の反落リスク要警戒
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.25ー6.55
今週のレビュー(8/31−9/4)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.33円で寄り付いた後、@本邦の政局不透明感の高まり(先週金曜日に安倍首相が辞意表明→アベノミクス終了の思惑→株安・円高)を背景に、早々に週間安値6.23円まで下落しました。しかし、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、A株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り)や、B菅官房長官が立候補するとの一部報道(安倍首相の後任に菅氏が選ばれた場合、アベノミクスが継続されるとの期待感→円売り)、C南アフリカを巡る政局不透明感の後退(ラマポーザ大統領は3日間にわたる与党アフリカ民族会議の全国執行委員会を経て、党首続投や汚職防止対策への支持を取り付けるなど、党内の基盤固めに成功)、Dラマポーザ大統領による「南アフリカはコロナウイルスの感染ピークは過ぎた」との発言、Eロックダウンレベルの段階的引き下げに伴う南ア経済の持ち直し期待が支援材料となり、週末にかけて、7/28以来、約1ヶ月半ぶり高値となる6.42円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局6.40円前後での越週となっております。
来週の見通し(9/7−9/11)
南アフリカランド円相場は、8/10に記録した約2ヵ月半ぶり安値5.95円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて約1ヵ月半ぶり高値6.42円まで上昇しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや雲上下限を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。目先は6/10高値6.56円や、200日移動平均線6.60円が意識されそうです。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限がステージ2からステージ4へ引き上げられた)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす恐れ)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大リスク(ロックダウンレベルを引き下げたことで、再び感染拡大に繋がる恐れ)、E南アフリカ中銀による追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる材料が引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しを見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。新型コロナウイルスに関するヘッドラインや米中対立関連報道、欧米株や商品市況の動向(9/3以降の米株安の流れが来週以降も継続すれば、南アランドに下落圧力が加わる可能性あり)、南アフリカの主要経済指標の結果(9/8に発表される南ア第2四半期GDPや、9/10の南ア第2四半期経常収支、南7月製造業生産高など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(ファンダメンタルズ主導の反落リスクに要警戒)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.25ー6.55
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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