景気回復期待を背景に持ち直すも上値余地は限定的か
〇南ア円、ロックダウンレベルの引き下げ等で週末にかけて7/30以来となる高値6.36円まで急伸
〇テクニカルには一目均衡表転換線や基準線、雲下限やボリンジャーミッドバンドを上抜け
〇ただしファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むか
〇来週の予想レンジ6.15ー6.45
今週のレビュー(8/24−8/28)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.16円で寄り付いた後、@南アフリカにおけるロックダウンレベルの引き下げを通じた景気回復期待(他の州への旅行や、たばこ及び酒の販売を容認。但し、国境の封鎖及び国際便のストップは継続)や、A世界的な株高を受けたリスク選好ムード、B南ア7月消費者物価指数(結果+1.3%、予想+1.2%)及び、C南ア7月生産者物価指数(結果+1.2%、予想+1.0%)の予想比上昇、D米追加緩和観測を背景としたドル売り圧力、E米中協議の進展期待(米中両国は合意の履行に向けて必要な措置を取ることにコミット)が支援材料となり、週末にかけて、7/30以来となる高値6.36円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、結局6.35円での越週となっております。
来週の見通し(8/31−9/4)
南アフリカランド円相場は、8/10に記録した約2ヵ月半ぶり安値5.95円をボトムに反発に転じると、今週末にかけて約1ヵ月ぶり高値6.36円まで上昇しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、雲下限やボリンジャーミッドバンドを上抜けするなど、テクニカル的にみて、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております(目先は6.38円前後に位置する一目均衡表雲上限を上抜けられるか否かに注目)。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力制限)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす恐れ)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大リスク(ロックダウンレベルを引き下げたことで、再び感染拡大に繋がる恐れ)、E南アフリカ中銀(SARB)による追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる材料が引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しを見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。新型コロナウイルスに関するヘッドラインや米中対立関連報道、欧米株や商品市況の動向、南アフリカの主要経済指標の結果(延期されていた第2四半期失業率の発表や、7月貿易収支など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落(一巡後の反落)をメインシナリオとして予想いたします(米中対立激化や安倍首相辞意表明に伴う円高リスクに要注意。テクニカル的にも一目均衡表雲上限が重石に)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.15ー6.45
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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