次の材料にらみつつ、基本はレンジ継続か
〇ドル円、105.70-75で寄り付きレンジ内で乱高下、105.70-95で底堅く推移
〇対イラン制裁で米国の孤立鮮明、制裁復活手続き着手も安保理13理事国が「無効」主張
〇安倍首相が追加で検査、体調関係の続報に一応注意を
〇本日から開始の米国共和党大会の行方に注視
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.40-106.30
<< 東京市場の動き >>
週明け24日の東京市場は、ドルが小じっかり。30ポイントにも満たないレンジ取引だったが、そのなかでドルは底堅く推移した。
先週末、11月の米大統領選をにらんだトランプ氏とバイデン氏の舌戦が観測されていた。たとえば、バイデン氏がトランプ政権下の現状を「暗黒のとき」と批判したことに対し、トランプ氏は「米史上、もっとも成功しているとき」と反論。さらに、「バイデン氏勝利なら米国は混乱に陥る」などとも皮肉っていたという。
そうした状況下、ドル/円は105.70-75円で寄り付いたのち、レンジ内での乱高下。105.70-95円といったなかで、ドルは底堅く推移している。早朝から「安倍首相が17日に続く病院の再訪を調整中」といった報道が観測され、その後実際に病院を受診したことが明らかになったことで、再び健康不安説なども一部で広まったが影響は限られた。16時現在では105.80-85円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「イラン制裁」と「米中の対立」について。
前者は、米国が国連安保理の対イラン制裁を復活させる手続きに着手したことをめぐるなか、ロイターが「安保理15理事国中、13理事国が書簡で米国の手続きを『無効』と主張」と報じたほか、EUは合意に署名した国のうち米国を除く6ヵ国会合を、9月1日にオーストリアの首都ウィーンで開くと発表している。「米包囲網」と言ってもよい動きで、米国が孤立状態に陥っている感も否めない。
対して後者は、先週末にかけて広まった「米中通商協議再開」期待だったが、週末はとくに進展なし。ただ、米国務長官から「中国は第1段階の合意順守を約束している」との発言とともに、「米製品の購入だけではなく、はるかに多くの義務があることを忘れてはならない」といった追加コメントも聞かれていたようだ。なお、そののちFOXニュースは、トランプ発言を伝えたが、それは「中国とのビジネスはしなくてもいい」と述べたのち、「彼らが我々に適切に対応しなければ、わたしは確実にデカップリング(分断、分離)をするだろう」といった内容だった。
<< 欧米市場の見通し >>
今週一週間を通して注目されている材料は、「ジャクソンホール会合」と「米共和党大会」。後者については、先で取り上げた「イラン制裁」や「中国との対立」と絡めた発言などについても注視している向きが少なくない。支持率アップをにらみ、突っ込んだ内容が示される可能性も取り沙汰されていた。そうした状況下、目先市場の注目を集めているのが「安倍首相の体調」について。27日に予定されていた「首相在任期間最長を祝う会」も延期されるなど、確かに気掛かりな点もないとは言えない為、続報などにも一応要注意。
材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルスとワクチン開発」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それらに加え、ここにきて「安倍首相の健康不安説」と「ベラルーシ情勢」も新規要因として注目を集めはじめている。そうしたなか、トランプ氏の大統領指名受諾演説は27日が予定されているが、本日24日から始まる共和党大会の行方も大いに注視されているようだ。先週末にはトランプ氏だけでなく、ペンス副大統領からも「民主党が描く米国のビジョンは経済を崩壊させ、一段の暴力につながる政策を促進させる」などといった発言が聞かれており、大会期間中は同様の発言が続く可能性もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は月初から続く105-107円という2円レンジに依然としてとどまっている。それも本稿執筆時は105.80-90円とほぼ中間地点に位置、もっとも居心地の良いレベルで推移していた。いずれにしても、明確な方向性は乏しいと言わざるを得ず、まずは足もとのボックス圏をどちらに抜けていくのか、その方向性とブレークのタイミングに注意を払いたい。
本日は、7月のシカゴ連銀全米活動指数といった米経済指標が発表される見込みとなっている。注目度が極端に低いという指標ではないが、今週は27日に「ジャクソンホール会合」におけるハウエルFRB議長の講演、トランプ氏による米大統領の指名受諾演説という2つの重要イベントが予定されていることから、基本的にはそれら待ちか。次の材料をにらみつつも一過性の変動までは否定できないが、それでもレンジ内にとどまるとの見方が有力だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.40-106.30円。8月以降はザックリ105-107円のレンジを形成しているが、短期的、ここ1週間程度で見た場合には106.21円が抵抗として寄与している感。まずは同レベルをめぐる攻防に要注意だ。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の105.45円が最初のサポートで、割り込めば前回安値105.10円がターゲットになる。
ドル円は日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2020.08.25
ドル円、欧米株高・米長期金利上昇の組み合わせで106円手前まで反発(8/25朝)
24日(月)の外国為替市場でドル円は上昇。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2020.08.24
若干上値が重たいもみあいを続けやすい(週報8月4週)
先週のドル円は、105円割れにドル買いオーダーが見られ買い戻したものの、106円台前半でのドル売りも出て、上下ともにオーダーに挟まれる一週間となりました。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。