ドル円、欧米株高・米長期金利上昇の組み合わせで106円手前まで反発
〇ドル円米FDAの新型コロナウイルスの新たな治療法緊急承認等でリスクオン、105.99まで上昇
〇ユーロドルは一時1.1849まで上値を伸ばすもFDA新治療法承認のニュースで1.17台に反落
〇ドル円、テクニカル、ファンダメンタルズとも、「下落リスク」が警戒される
〇海外時間は週後半に控えるジャクソンホールを前に様子見ムードが広がる展開を予想
〇本日の予想レンジ:105.50ー106.30
海外時間の為替概況
24日(月)の外国為替市場でドル円は上昇。@米食品医薬品局(FDA)が新型コロナウイルスの新たな治療法を緊急承認したことや、A上記@を背景とした欧米株の堅調な動き(リスク選好の円売り)、B米長期金利の上昇、C米フロリダ州など米国における新型コロナウイルスの感染件数が落ち着きを取り戻しつつあること等が支援材料となり、米国時間午後にかけて、日通し高値となる105.99まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、105.97近辺で推移しております。尚、この日発表された米7月シカゴ連銀全米活動指数(結果1.18、予想3.70)は市場予想を下回る冴えない結果となりましたが、市場の反応は限定的となっております。
24日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。米国時間朝方に一時1.1849まで上値を伸ばすも、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、@米食品医薬品局(FDA)が新型コロナウイルスの新たな治療法を緊急承認したことや、A米長期金利の上昇(ドル買い)、B英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)を巡る先行き不透明感(締結に至らないままEU離脱移行期限=年末を迎えるリスク)が重石となり、米国時間午後にかけて、1.1786まで反落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、1.1792近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/13に記録した約3週間ぶり高値107.06をトップに反落に転じると、8/19には、一時105.11(7/31以来の安値)まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(足元106円絡みへ持ち直すも、一目衡表転換線が続伸を阻むなど、上値の重い展開が継続中。目先は強い売りシグナルを示唆する三役逆転の再点灯に要注意)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(8/27ー8/28に予定されているカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム=ジャクソンホールに注目)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(米政治の先行き不透明感)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナウイルスの感染拡大懸念、G日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。米中対立激化に関するヘッドラインや、米追加財政政策を巡る続報、米国の主要経済指標の結果(米7月新築住宅販売件数や、米8月リッチモンド連銀製造業指数、米8月コンファレンスボード消費者信頼感指数など)、欧米株及び米長期金利の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落(上値余地は限定的)をメインシナリオとして予想いたします(但し、本日は5・10日となる為、日本時間9時55分の公表相場決定にかけて需給主導=ドル不足でドル円が底堅く推移する可能性あり。海外時間は週後半に控えるジャクソンホールを前に様子見ムードが広がる展開を予想)。
本日の予想レンジ:105.50ー106.30
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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