トルコリラ円レポート月曜版
〇トルコリラ円、史上最安値14.21に並ぶも下抜けせず、上値も限定的で横方向へのもみあい相場
〇20日トルコ中銀会合、政策金利は現状維持の8.25%、わずかに売られた程度でほぼ無風通過
〇黒海の領海内で天然ガス油田、トルコリラは週間高値をつけるもすぐに元の水準へ
〇今週のトルコリラ円、大台14.00をサポートに、上値は14.80レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが「史上最安値を更新する可能性が高く大台14.00をサポートに、下がってくるレジスタンスラインと前週高値に近い14.80レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が14.21レベル、高値が14.66レベルとなり、史上最安値14.21に並んだものの下抜けせず、かといって上値も限定的と横方向へのもみあい相場となりました。
先週のトルコリラは、週前半は前週からの流れを受けトルコリラ安が先行してスタートしましたが、これはドル円におけるドル安の影響が大きかったと言えます。ドル円が週初から円高に進んだ際もドルトルコリラは全く動かずドル高・トルコリラ安水準に張り付いていました。20日のトルコ中銀会合では予想通り政策金利は現状維持の8.25%、わずかに売られた程度でほぼ無風通過。
そして金曜にエルドアン大統領が黒海の領海内で天然ガス油田がみつかったとの発表を行ったことでトルコリラは週間高値をつけたものの、実際の採掘は3年後以降ということもありすぐに元の水準へと押しました。金曜のNY引け後にフィッチが格付け見通しを安定的〜ネガティブとしましたが、こちらも週明けにトルコリラが下げることもなく、これまでのレンジ内での動きに留まっています。
どうもイベントやニュースにも反応が鈍く、現在のトルコリラは買えないもののドルトルコリラの7.4000水準での動きが介入と見られるため、売るのは明確に崩されてからでも遅くないと構えている印象です。しかし、本邦個人投資家のトルコリラ買いポジションは、水準に関係なく1円下がってきている間でも安定的に高水準のトルコリラ買いとなっていて、ポジション調整はほとんど出ていません。何かトルコリラ売りのニュースが出る時には売り圧力となりやすいという点だけは常に注意しておきたいところです。
それ以外の材料は大きくは変化していませんのでテクニカルに見ていきます。今週はドルトルコリラの週足チャートから現在は7.4000手前で抑えられている対ドルの動きがどの程度までドル高・トルコリラ安に動く可能性があるのかを考えてみます。週足チャートをご覧ください。
長期的にドル高・トルコリラ安が続いていますので、どこを起点にするのかは悩ましいところです。そこで今回は2018年後半から20109年末まで続いたトライアングル(三角もちあい、赤のラインで示した部分)を上抜けて2020年にトルコリラ最安値に向かう動きから、トライアングル上抜け前の最後の安値を起点として計算してみました。
色々と見方はあるのですが、これは均衡が崩れる前に振り子の上下の振れが小さくなっていく中で最後の均衡を保っていた安値という見方です。その次の上昇でトライアングルを上抜けていることとなります。この起点から2020年5月の最初の高値までの上げ、その後の5月末の押しを3点として上昇N波動(ピンク)を考え、フィボナッチ・エクスパンションからターゲットを求めたのが青のターゲットです。
最初のターゲットは50%エクスパンションの7.4892、次が61.8%エクスパンションの7.6757となっています。7.4000を抜けた時の長期的なターゲットとして気にしておくとよいでしょう。
次にいつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
上側のレジスタンスライン(ピンク)は依然として有効に見えますし。下側は史上最安値が2点安値(ピンクの水平線)となっていてこちらも有効ですが、さすがにどちらも近すぎます。上側は先々週の高値圏と重なる14.80水準という見方で今週もよさそうですが、下はもし14.21を抜けたら3度目のトライでの下抜けとなりますので、大台14円を視野に入れることとなるでしょう。
今週のリラ円も史上最安値を更新する可能性が高く大台14.00をサポートに、上値は先々週の高値に近い14.80レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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