ドル安リスクくすぶるなか、足もとは調整か(8/19夕)

19日の東京市場は、ドルが小高い。一時はドル売りが先行し、直近安値を更新したものの、その後は買戻しが優勢だった。

ドル安リスクくすぶるなか、足もとは調整か(8/19夕)

ドル安リスクくすぶるなか、足もとは調整か

〇ドル円、105.50-60高値圏で推移しやや強含みも他は冴えない
〇深まる米中対立で貿易面のみ関係は良好と見られたが先行きを懸念する声も
〇ベラルーシ情勢は欧州諸国を中心に対応進む
〇米経済対策で5000憶ドル規模縮小合意の可能性と報道、真偽を含めた続報に注意
〇FOMC議事録要旨公開、緩和策強化が示されるか要注意
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ105.10-106.10

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場は、ドルが小高い。一時はドル売りが先行し、直近安値を更新したものの、その後は買戻しが優勢だった。

ドル/円は105.35-40円で寄り付いたが、前日NYの流れを継いだ格好でドル売り・円買いの流れが続く。日中安値の105.10円レベルまで下落した。一連の動きのなか、夏休み明けとなる「安倍首相の健康不安」説も取り沙汰されていたようだ。しかし、そののちは一転してドルの買戻しが優勢に。105.60円前後まで買戻しが入ったのち、105.50-60円といった高値圏で推移、16時現在でもドル高値を維持したまま欧米時間を迎えている。
なお、ドルは対円ではやや強含みながら、それ以外では冴えない。実際、ポンド/ドルは前日に記録したポンドの戻り高値を更新し、年初来高値に面合わせする局面も観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中の対立」と「ベラルーシ情勢」について。
前者は、CNNが「台湾が米国製のF16戦闘機66機を調達することが確実となった」と報じ、さらなる米中関係の悪化が懸念されるなか、先週末15日に実施予定だった米中貿易協議が延期になったことについて、トランプ米大統領が「いまは中国と話したくない」などと発言し、自身が協議を取り止めたことを明らかにした。これまで貿易面に関してのみ、「良好な米中関係」が維持されている感も見られたが、先行きを懸念する声も少なくない。
対して後者は、大統領選の結果をめぐり混乱が続くベラルーシ情勢について、欧州諸国を中心に対応などを協議する動きが活発化している。昨日は独露首脳や露EU首脳が電話会談を実施し、それぞれ早期の事態収拾に向けた協議が行われたほか、米独外相による電話会談も行われていたようだ。また、ミシェルEU大統領によると、19日にテレビ会議方式でベラルーシ情勢に関する「臨時のEU首脳会議」が開催するという。

<< 欧米市場の見通し >>

為替市場におけるドル安の流れは継続し、本日東京時間に105円割れを意識するも、結局割り込めなかった。予断は許さないが、ポジションの偏りなどを加味すると、ドル安・円高の第1波は終わったのかもしれない。ドルは足もと底堅く推移する可能性もある。ただし、その場合でも直近高値107.05円を上抜けない限り、基本的な方向性は下向き。時間調整などが一巡したのち、ドルは再び下値をトライするとの見方が有力だ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数ある要因のなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。後者については、止まらぬ感染拡大は弱材料だが、ワクチン開発についてポジティブな報道が少なくないうえ、経済対策について本日東京時間にも「トランプ政権は5000億ドルに規模縮小した経済対策で合意する可能性を想定」などと報じられていた。事実とすれば、ドルの支援要因となりそうで、真偽を含めた続報には要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は下値を支えてきた移動平均の21日線(105.90-00)に続き、ドル安値104.19円を起点とした上げ幅のフィボナッチポイント、61.8%戻しである105.25-30円も一時下回ってきた。基本的なリスクはドル安方向にバイアスがかかりそう。
ただ、足もとは105円割れを前にした調整ともいえるドルの戻り局面で、いま一段の反発を予想する声も少なくない。前述した21日線が再び抵抗となるのか否かにまずは注目だ。

本日は、それほど目立った米経済指標の発表は予定されていないが、7月28-29日開催分のFOMC議事録要旨が公開される見込みで、そちらについては要注意。緩和策の強化が示されれば再びドル売りに傾斜しかねない、との見方も聞かれている。
そのほか、米財務省による20年債の入札や米リッチモンド連銀総裁による講演、ベラルーシ情勢をめぐる緊急のEU首脳会議開催なども気掛かり。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは105.10-106.10円。下値リスクはくすぶるものの、短期的にはドルの戻り局面で、21日線が位置する105.00-00円をめぐる攻防を注視。しっかりと上抜ければ、106円半ば程度までの続伸も否定できない。
対するドル安・円高方向は、東京安値の105.10円レベル、あるいは心理ポイント105円がサポートとして意識されそう。目先は底堅いイメージだが、割り込めば前回安値104.19円も薄っすらだが視界内に。

ドル安リスクくすぶるなか、足もとは調整か

ドル円日足


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