ドル円、約3週間ぶり安値更新後に急反発。米追加緩和観測後退が背景(8/20朝)

19日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に急反発。

ドル円、約3週間ぶり安値更新後に急反発。米追加緩和観測後退が背景(8/20朝)

ドル円、約3週間ぶり安値更新後に急反発。米追加緩和観測後退が背景

〇ドル円105.11まで下落後に急反発一時106円乗せ
〇米中通商協議実施観測、米追加財政策期待、FOMC議事要旨でのYCCへの懐疑的見方が背景
〇ユーロドルは1.1830まで急反落
〇ドル円5、10日の公表にかけてのドル買いに注意しつつも、ドル円下落がメインシナリオ
〇本日の予想レンジ:105.40ー106.40

海外時間の為替概況

19日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に急反発。@米中対立激化を嫌気したリスク回避ムードの高まりや、A上記@を背景としたドル全面安の流れ、Bテクニカル的な地合いの弱さが重石となり、アジア時間朝方には、一時105.11まで下落しました(7/31以来の安値)。しかし、心理的節目105.00をバックに下げ渋ると、C先週末以降延期されていた米中協議(第1段階通商合意の履行状況を検証するための協議)が今後数日以内に開催されるとの思惑や、D米追加財政政策への期待感、EFOMC議事要旨にて「何人かの当局者がイールドカーブコントロールがバランスシートを大幅に拡大する可能性を懸念」との見解が示されたこと(米追加緩和観測の後退→米長期金利上昇→ドル高)等が支援材料となり、米国時間午後にかけて高値106.01まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、105.95近辺で推移しております。

19日(水)のユーロドル相場は急反落。@米中協議(第1段階通商合意の履行状況を検証するための協議)再開の思惑(ドル買い要因)や、A米追加財政政策への期待感(ドル買い要因)、B米追加緩和観測の後退(米長期金利上昇→ドル高)、C心理的節目1.20トライ失敗に伴う見切り売りが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1830まで急落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1855近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、8/13に記録した約3週間ぶり高値107.06をトップに反落に転じると、昨日朝方には、一時105.11(7/31以来の安値)まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(米国時間午後にかけて反発に転じるも、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンドが引き続きレジスタンスに)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(米政治の先行き不透明感)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナウイルスの感染拡大懸念、G日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。米中対立激化に関するヘッドラインや、米追加財政政策を巡る続報、米主要経済指標(米8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や、米新規失業保険申請件数、米7月景気先行指数など)の結果、欧米株や米長期金利の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(戻り売りスタンスを継続中。但し、本日は5・10日となる為、9:55に発表される本邦公表相場決定にかけての一時的なドル高・円安リスクには注意が必要)。

本日の予想レンジ:105.40ー106.40

注:ポイント要約は編集部

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