ドル高基調継続、ただ上値が重くなった感も(8/13夕)

13日の東京市場は、ドルが小安い。大局的にはレンジ内だが、夕方にかけて下値を試す動きが強まった。

ドル高基調継続、ただ上値が重くなった感も(8/13夕)

ドル高基調継続、ただ上値が重くなった感も

〇ドル円夕方に106.50台で日中安値更新後、16時現在106.65-70で推移
〇ファイザーなどが開発を進めるワクチン、抗体の量が接種後に上昇と研究成果公表
〇米国の中国への輸出額、米中通商協議の第1段階の合意の半分程度と報道
〇本日、7月輸出入物価指数、週間ベースの新規失業保険申請件数など発表予定
〇本日欧米時間のドル円予想レンジ106.20-107.20

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13日の東京市場は、ドルが小安い。大局的にはレンジ内だが、夕方にかけて下値を試す動きが強まった。

ドル/円は106.85円レベルで寄り付いたのち、しばらくは強保ち合い。106.80-90円といった値動きをたどったものの、底割れすると一時106.60円前後まで値を下げた。そこで一旦持ち直すも、夕方に再び崩れると日中安値を更新する106.50円台へ。16時現在、ドル/円は106.65-70円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナワクチンをめぐる動き」と「中国情勢」について。
前者は、前日にプーチン大統領が「世界で初めて認可した」と自賛したロシア製の新型コロナワクチンは、そののち同国政府が「2週間内に医師らに接種することが可能」との発表を行い、一部で期待感がさらに高まっていた。また、ドイツ政府の公衆衛生研究機関ロベルト・コッホ研究所も「ワクチンは早ければ今秋にも利用可能となり得る」と発表したほか、ファイザーなど米独製薬会社が開発を進めているワクチンは「ヒトでの臨床試験の結果、免疫の役割を担う抗体の量が接種後に上昇することが確認された」とした初期段階の研究成果が公表されている。
(編集部注:ドイツのワクチンに関しては、後に誤って公表されたとして撤回されたとの報道あり)

対して後者は、とくにブルームバーグが報じた2つの内容が思惑を呼ぶ。具体的には、「早ければ今週にも米中は通商協議を実施し、中国サイドはそのなかでSNSのウィーチャットと動画共有アプリTikTok問題を持ち出す公算」と、「米国の中国への輸出額が米中通商協議の第1段階の合意を満たしていない。コロナの影響もあり合意の半分程度」−−になる。ともに真偽を含め、今後の実際の協議についても注意が必要かもしれない。

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「ロシアによる新型コロナワクチンの認可」がある種のトリガーになったのか、前述したようにワクチン開発に関するポジティブな発表が相次いでいる。それらが為替市場で好感された感もあったという。株価についても、日米などの株価は全般的に堅調推移をたどっており、そうした傾向が今後も続けばドルの強力な支援要因となる公算が大きい。予断は許さないが、リスクという意味ではドル高方向にバイアスがかかるとの見方が優勢だ。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。それら数ある要因のなかでも、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。「新型コロナのワクチン開発」がポジティブな要因である反面、「止まらぬコロナの感染拡大」と「米中対立の先鋭化」は逆にネガティブ材料に。後者に関し、昨日は台湾の蕭駐米代表(事実上の大使)が実施した講演で、「機雷と巡航ミサイルの購入をめぐり米国と交渉している」ことを明らかにしており、さらに米中間の溝が深まる可能性も取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、これまでドルの上値を阻んできた移動平均の21日線を週明けに「しっかり」と上抜けたうえ、今度は21日線をサポートにドルは底堅い値動きをたどっている。リスクという意味ではドル高方向にバイアスがかかるものの、昨日記録したドルの戻り高値107.01円は、6月高値109.85円を起点とした下げ幅の半値戻し、フィボナッチポイントに合致する。ドルの上値は予想以上に重いかもしれず、攻防を注視している向きも少なくない。

一方、本日は、7月の輸出入物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっており、なかでも後者が注視されている。ちなみに、市場予想では110万件程度が見込まれているようだ。
また、米財務省による30年債の入札やアトランタ連銀総裁、ブレイナードFRB理事などによる講演にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.20-107.20円。上方向は、昨日高値の107.01円をめぐる攻防に注視。その少し上には移動平均の90日線も位置している。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である106.55円レベルが目先サポートとして意識されているようだ。また、その少し下にはこれまで抵抗だった106.47円も今度はサポートとして考えられるなど、ドルの下値はなかなか底堅いイメージか。

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ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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