ランド円レポート月曜版
〇ランド円、安値が6.17レベル高値が6.44レベル、予想以上に弱い値動き
〇先週のドルランド、新型コロナ新規感染者増加・米中対立問題により、ドルがじり高の展開
〇米国の一連の雇用関連の指標を前南ア関連経済指標には反応しにくい状況か
〇今週は6.10レベルをサポート、6.35レベルをレジスタンスとする流れ
今週はランド円となります。
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが「テクニカルにランド円は下げを継続しやすいチャートであることから、6.25レベルをサポートに、6.45レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.17レベル、高値が6.44レベルとなり、テクニカルな下値のターゲットを下抜け、予想以上に弱い値動きを見せました。
先週のランドは、国内要因としては新型コロナの新規感染者が増え続けていること、国外要因としては米中対立問題が一段と目立ってきたこと、の2つが大きな要因になったかと思います。為替市場全体ではドル安相場となる中で、ドルランドは火曜以降週末までドルがじり高の展開を辿ることとなりました。
南アの新型コロナ感染者ですが、先週増え続けたことから本日時点で51万人超え、人口100万人あたりの感染者数も米国(14411人)よりも少ないとはいえ、他の新興国同様に多い数字となっていて8702人とこれから冬に向かう中で厳しい状況が続いています。ただ、1日あたりの新規感染者数は7月24日をピークに下げ、昨日は1万人を割り込みました。この傾向が今後も続くかどうかで南ア経済の再開が軌道に乗るかどうかに大きな影響を与えるだけに同国保険省も注視しているはずです。保健省では見通しとして8月をピークとするとの見方を示していましたので、ここで落ち着いてくる可能性は高そうです。
また国外要因としては香港国家安全法以降米中対立が強まっています。領事館の閉鎖合戦のみならず、直近では中国製アプリのTikTokを米国内で禁止される可能性が強まり、一段の険悪化材料となる可能性もありましたが、こちらも本日(現地時間昨日)マイクロソフトが買収を進めていると発表し、同社ナデラCEOとトランプ大統領の会談を経て買収協議を継続とのことです。他にも米中間の対立はあるものの、一つでも解決に向かうようであれば、少なくとも今までよりは良いということになりそうです。
経済指標に関しては南ア関連では細かい数字は出てくるものの、米国の一連の雇用関連の指標を前に反応しにくい状況です。テクニカルには今週は日足チャートから見ていきます。
史上最安値5.60とその後の戻り高値6.57の半値押しが6.08となっていて、6月安値や現在の均衡表雲の下限とも重なり、ここから一段の下げを見る場合のターゲットとなる水準です。既に6月安値と7月高値との押しはすべての水準を達成していますので、テクニカルに近いターゲットとしては残すは6.08のみです。
次にいつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)をご覧ください。
下に見える青い水平線が6月安値の6.09で上述のテクニカルなターゲットと重なっていることがわかります。現在のランド円は先々週高値からの下降チャンネル(ピンクの平行線)の中でこのターゲットに向かっている道中と見ることが出来るようです。
材料面では先週までよりも多少は改善してきていそうな感じですから、下げたとしても同水準を大きく下回ることは無いと見ていますが、上値もまた重たそうです。先々週安値(6.32)を先週下抜いてから下げが強まったことを考えると、上値の目途としては同水準近辺が考えられます。
今週はやや速度を鈍らせながらもランド安の傾向が続きやすいと見て、上記2つの水準から6.10レベルをサポートに、6.35レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
注:ポイント要約は編集部
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