約2ヵ月半ぶり安値圏へ続落。南ア経済の先行き不透明感が重石
〇南ア円コロナ感染者急増、米中対立先鋭化等で一時2か月半ぶり安値5.97まで下落
〇テクニカルの地合い弱く、バンドウォークも発生ファンダメンタルズも弱い
〇今週発表の失業率製造業生産高、景況感指数、小売売上高等注視
〇南アフリカランド円相場の続落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):5.80ー6.10
今週のレビュー(8/3−8/7)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.21円で寄り付いた後、早々に週間高値6.23円まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲上限に続伸を阻まれると、@南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染者数急増(52万人超)や、A上記@を受けた南アフリカ経済の先行き不透明感、B米中対立先鋭化リスク、C電力負荷制限の実施、D南ア新車販売台数の冴えない結果が重石となり、週後半にかけては、5/21以来、約2ヵ月半ぶり安値となる5.97円まで下落しました。週末にかけて持ち直すも上値は重く、結局6.00円前後での越週となっております。
来週の見通し(8/10−8/14)
南アフリカランド円相場は、7/22に記録した高値6.55円をトップに反落に転じると、週後半(8/6)にかけて、一時約2ヵ月半ぶり安値となる5.97円まで下落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや雲上下限を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や、強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークも発生するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限)、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化は中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済へマイナスの影響をもたらす)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染急拡大、E南アフリカ中銀(SARB)による追加利下げ観測など、南アフリカランド売りを想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。新型コロナウイルスや米中対立先鋭化に関するヘッドライン、欧米株や商品市況の動向、南アフリカの主要経済指標の結果(8/11の南ア第2四半期失業率や南ア6月製造業生産高、8/12の南ア7月SACCI景況感指数や南ア6月小売売上高など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(南アフリカ国内における感染者数急増と米中対立先鋭化リスクが南アランドの重石に)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):5.80ー6.10
注:ポイント要約は編集部
南アフリカランド円日足
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