ドル安警戒感も台頭、米FOMCなど注視(7/29夕)

29日の東京市場は、ドルが弱含み。夕方にかけて105円を再び割り込み、前日に記録した安値を下回る局面も観測されていた。

ドル安警戒感も台頭、米FOMCなど注視(7/29夕)

ドル安警戒感も台頭、米FOMCなど注視

〇ドル円前日安値104.95をわずかに下回り104.90-95に
〇新型コロナ、本日の東京都新規感染者「250人以上」で、21日連続100人以上に
〇フィッチが日本の格付け見通しを「安定的から弱含みに変更する」と発表
〇米中対立「中国軍が南シナ海で実弾射撃訓練、米軍機も上空を飛行」との報道
〇本日、米FOMC政策金利発表とFRB議長の記者会見実施
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ104.50-105.50

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場は、ドルが弱含み。夕方にかけて105円を再び割り込み、前日に記録した安値を下回る局面も観測されていた。

ドル/円は105.00-05円で寄り付いたのち、しばらくは底堅い。一時的には105.25円前後まで上昇する局面も。しかし、ドルが対ユーロなどで売られたことに加え、リスク回避の円買いが終日を通して優勢で、夕方には再び105円を割り込む。前日安値をわずかに下回る104.90-95円へと値を下げ、16時現在では104.95-105.00円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「日本の情勢」と「米中の対立」について。
前者は、為替市場においてリスク回避の動きから円が嗜好されているものの、日本を取り巻く環境も色々と危うい。たとえば、新型コロナについては、「河野防衛相の警護官SPがコロナに感染」したことが明らかに(河野氏自身は検査で陰性を確認)。また、本日も東京都の新規感染者が「250人以上」と伝えられており、これで100人以上が21日連続となった。引き続き感染拡大には予断を許さない。さらに、フィッチが日本の格付け見通しを「安定的から弱含みに変更する」と発表し、物議を醸していた。なお、それらとは別に、一時的とはいえ105円を割り込むドル/円相場について、財務省幹部から「市場の動き、緊張感をもって注視する」との発言が聞かれていたようだ。

対して後者は、「米中対立の激化」については、これまでも指摘され続けてきたが、昨日は実際のぶつかりあい、現実の軍事行動を予感させる報道が話題となっていた。具体的には、「中国軍が南シナ海で実弾射撃訓練、一方で米軍機も上空を飛行」としたもので、一触即発の危険性も取り沙汰されていたという。また関連報道として、共同通信は「中国が3隻目となる新型空母の建造を加速している」と報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

「米中の対立激化」などを嫌気し、リスク回避の動きが根強い。ドル/円は本日東京時間にも105円を割り込む展開となっている。テクニカルに見た場合には、さらなるドル安の進行を否定出来そうにない。しかし、先でも指摘したように、本日東京で日本の財務省幹部から「緊張感をもって注視」とした「口先介入」が聞かれており、そろそろ危険水域に入ってきた感もある。ポジションの偏りもジワリと観測され始めていることから、逆に大きな巻き戻しが入った場合には予想以上の戻りをたどる展開にも一応の注意を払いたい。

材料的に見た場合、「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。ただ、本日は今週最大の注目要因ともいえる米FOMCの政策金利発表と、FRB議長の記者会見が実施される見込みだ。「金利据え置き」が予想されている前者はもちろん、後者における金利見通しの内容や文章表現を警戒する声が優勢だった。

テクニカルに見た場合、昨日欧米時間そして本日東京時間にも、一時的に105円を割り込む展開となっている。まだ「しっかり下回った」という感じではないが、リスクそのものは下方向にバイアス。ちなみに、年初来安値101.19円を起点とした大きな上昇幅に対するフィボナッチでは、61.8%押しに当たる105.20円を下回ってきたことで、次のテクニカルポイントは76.4%押しに当たる103.65-70円か。

一方、本日は6月の中古住宅販売成約指数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された2つの重要米経済指標は好悪マチマチ、決定打に欠ける内容だったこともあり、本日の指標に対する関心も高い。ただ、本日はFOMCとFRB議長の記者会見が行われることで、基本的にはそれら待ちか。影響は限られそうとの指摘も聞かれている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは104.50-105.50円。上方向は、東京高値にあたる105.20-25円の攻防にまずは注視。上抜けると、昨日高値105.68円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日そして本日とドルの下値を支えている104.90-95円レベルをめぐる動きに注目。割り込むと、104円台にそれほど強いフシはうかがえないのだが、敢えて指摘すれば104.40-45円となりそうだ。

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ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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