米中対立先鋭化リスクが南アランドの下落材料
〇南ア円週央にかけ6.55まで上昇するも中銀利下げ等で週末にかけ6.32まで反落
〇南ア円、テクニカル、ファンダメンタルズとも、下落リスクが警戒される
〇7/29消費者物価指数、7/3生産者物価指数、7/31貿易収支等南ア経済指標注視
〇来週の予想レンジ(ZARJPY)6.20ー6.50
今週のレビュー(7/20−7/24)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.42円で寄り付いた後、@EU復興基金案の合意や、A米政府による追加景気対策期待、B上記@Aを背景としたリスク選好ムード、C南ア・5月小売売上高(結果▲12.0%、予想▲15.6%)の良好な結果が支援材料となり、週央にかけて、週間高値6.55円まで上昇しました(6/10以来、約1ヶ月半ぶり高値圏)。しかし、ボリンジャーバンド上限に続伸を阻まれると、D南アフリカ中銀による5会合連続利下げ(政策金利は3.75%から3.50%へ25bp利下げ→1998年の導入以降で最低水準に)や、E南アフリカ国内おける新型コロナウイルスの感染拡大、F米中対立激化懸念(米政府によるテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖命令→対抗措置として中国政府も四川州成都市にある米国総領事館を閉鎖命令)が重石となり、週末にかけて、安値6.32円まで反落しました(7/10以来、約2週間ぶり安値)。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局6.37円での越週となっております。
来週の見通し(7/27−7/31)
南アフリカランド円相場は、7/22に記録した高値6.55円をトップに反落に転じると、週末にかけて約2週間ぶり安値となる6.32円まで下落しました。この間、一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、やや「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております。目先は、一目均衡表基準線を下抜けられるか否かに注目が集まりそうです。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題、B米中対立激化懸念(米中対立先鋭化リスクは中国と経済的な結びつきの強い南アフリカへネガティブな影響をもたらす)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナウイルスの感染拡大、E南アフリカ中銀(SARB)による追加利下げ観測など、南アフリカランド売りを想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。新型コロナ第2波リスクを巡るヘッドラインや、米中対立激化リスク、欧米株や原油先物価格の動向、南アフリカの主要経済指標(7/29に発表される消費者物価指数や、7/30の生産者物価指数、7/31の貿易収支など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(リスクオン一巡後のリスクオフ再開に要注意。南アフリカ国内における感染者数急増と米中対立激化が南アランドの重石に)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.20ー6.50
南アフリカランド円日足
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