ドルの上値トライは一旦仕切り直しに
〇ドル円、21日東京市場は107円台前半、20ポイント強で一進一退をたどる
〇EU復興基金、総額7500億ユーロで合意
〇新型コロナのワクチン、各地で前向きな話題
〇「米中対立」と「新型コロナ第2波」を引き続き警戒
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ106.90-107.80
<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は、再びレンジ取引。107円前半、20ポイント強という狭いなかでの一進一退をたどっている。
ドル/円は107.20-25円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。寄り付きレベルを中心に上下10-15ポイントほどのレンジ取引だった。ただ、難航していた「EU復興基金」創設について、ようやく合意をみたこともあってか、乱高下をたどるなか最終的にユーロが小じっかり。それに連れる格好で、ドル/円も終盤にかけ、ややドル買いが優勢となっている。16時現在では107.30-35円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「EU臨時首脳会議」と「新型コロナのワクチン」について。
前者は、当初は17-18日の会期2日間とされていたEU復興基金をめぐるEU臨時首脳会議は協議がまとまらず、ついに4日目に突入。その間、様々な思惑や報道、あるいはルーマーなどが飛び交ったが、本日東京時間の昼過ぎにようやく総額7500億ユーロの「復興基金」について合意に達したという。市場にはだいぶ織り込まれた感も否めないが、このあとの欧州時間などに再び材料視される可能性もある。
対して後者は、米ジョンズ・ホプキンス大学が最新の集計結果として、新型コロナウイルスの感染者数は世界全体で1456万人と発表するなど、いまだ感染拡大が止まらないなか、ワクチンについての話題がアチコチで伝えられている。たとえば、「英シネアジェンが開発中の治療薬でコロナ感染症重症化リスクを低減させた」と発表、またブルームバーグは「オックスフォード大学のワクチンが、抗体とT細胞で良好な反応となった」などと報じている。さらに、「米ファイザーと独社は、コロナワクチンが臨床試験の追加データで有望性確認」と明らかにしていた。
<< 欧米市場の見通し >>
紛糾が続いていたEU臨時首脳会議における「復興基金」創設の話は、4日目にしてようやく決着。独仏首脳が当初掲げていた5000億ユーロからは減額されたものの、それでも3900億ユーロ規模となっていた。ただ、決着したとはいえ、先週末からこの話題を金融市場は引っ張ってきたこともあり、目先は残滓の動きに要注意かもしれない。次の材料探しを考慮しつつ、目先は積み上げられたユーロのロングポジションに整理が入る展開を見込む声も聞かれている。
材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「米ファンダメンタルズ」など注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒になる。後者については、先でも指摘したように感染拡大がいまだ止まらないものの、一方でワクチン開発に関して明るい話題が多くなってきた。早ければ、「年内使用も」といった報道も散見されており、今後の動静には要注目だ。
テクニカルに見た場合、昨日ドルは107円半ばへと値を上げ、過去1週間以上もドルの上値を抑制し続けていた107.40-45円を一時上抜けたものの、結局元のレンジへと回帰してきた。「ダマシ」や「上抜け失敗」というには、まだ早いが、取り敢えずドルの上値トライが仕切り直しとなったことは間違いなさそう。このあとの欧米時間に、再トライがあるのか否かが注視されている。
本日は、米経済指標は6月のシカゴ連銀全米活動指数程度しか予定されていないが、引き続き米企業の決算発表が断続的に実施される見込みだ。
また、米国ファクターとしては、米上院銀行委員会で実施されるシェルトン、ウォラー両氏のFRB理事指名採決や、日本時間の明日早朝になるが、トランプ米大統領の新型コロナに関する記者会見に注目。さらに、それ以外では再開される英とEUによる自由貿易協定(FTA)協議の行方にも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは106.90-107.80円。上方向は、昨日高値に当たる107.54円の攻防に注視。しっかり抜ければ、今度こそ直近高値107.80円がターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日欧米時間の安値107.05円レベルが最初の下値メド。下回れば107円割れ、そして7月安値の106.64円が現実的なターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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