『CPIは16年ぶり低水準。SARBでの追加利下げ観測再燃』
〇南ア円リスク選好ムードに一時6.47円まで上昇する(約1ヵ月ぶり高値)も週後半にかけ反落
〇米中対立、CPI低下による南ア中銀利下げ実施の思惑が重石
〇南ア円テクニカルには「下値の堅さ」印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズは南アランド売りを想起させる材料多い
〇7/23南ア中銀(SARB)による政策金利発表は見方分かれ波乱含み
〇来週の予想レンジ 6.25ー6.55
今週のレビュー(7/13−7/17)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.37円で寄り付いた後、早々に週間安値6.34円まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線及び転換線に続落を阻まれると、@新型コロナワクチン開発への期待感や、A上記@を受けたリスク選好ムード(株高→新興国通貨上昇)が支援材料となり、週央にかけては、一時6.47円まで上昇する場面も見られました(約1ヵ月ぶり高値)。もっとも、直近高値(6/11高値)6.49円をバックに伸び悩むと、週後半にかけては再び反落。B南アフリカにおける新型コロナ感染者数の急増(ラマポーザ政権は国家的災害事態を8/15まで延長)や、C米中対立激化懸念の高まり(中国の景気先行き不透明感→中国と経済的な結び付きの強い南アフリカ経済の先行き不透明感→南アランド売り)、D南ア5月消費者物価指数(結果▲0.6%、予想▲0.5%)の低下(約16年ぶり低水準)、E上記Dを受けた南ア中銀による追加利下げ観測の再燃(インフレ鈍化を受けて来週7/23に予定されている南アフリカ中銀政策金利決定会合=SARBで追加利下げが実施されるとの思惑)が重石となり、結局、6.41円まで押し下げられての越週となっております。
来週の見通し(7/20−7/24)
南アフリカランド円相場は、6/18に記録した安値6.09円をボトムに反発に転じると、7/15には一時約1ヵ月ぶり高値となる6.47円まで上昇しました。この間、一目均衡表雲上限や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表基準線を上抜けするなど、テクニカル的にみて、「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(継続的な電力負荷制限)、B米中対立激化懸念(中国と経済的な結びつきの強い南アフリカへネガティブなインパクト)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナ第2波リスク(南アフリカ国内で感染者数が急増)、E南アフリカ中銀(SARB)による追加利下げ観測など、南アフリカランド売りを想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸を阻む」シナリオが想定されます。新型コロナ第2波リスクを巡るヘッドライン(南アフリカ国内における感染拡大→ロックダウン再開の恐れ)や、米中対立リスクを巡る続報、欧米株や原油先物価格の動向、南アフリカの主要経済指標(7/22に発表される南ア5月小売売上高など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(南アフリカ国内における感染者数急増+米中対立激化が南アランドの重石)。尚、来週は7/23に南アフリカ中銀(SARB)による政策金利発表が予定されております。今週発表された消費者物価指数が2004年9月以来の低水準を記録したことから、俄かに追加利下げ観測が再燃しました(3.75%→3.50%)。但し、「据え置き」を予想する市場参加者も複数存在することから、来週のSARBはやや波乱含みの展開が見込まれます。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.25ー6.55
南アフリカランド円日足
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2020.07.20
ランド円レポート月曜版(2020年7月20日)
安値が6.33レベル、高値が6.47レベルとターゲットは達成したものの、非常に静かな値動きの一週間となりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2020.07.13
ランド円ショートコメント(2020年7月13日)
実際のレンジは安値が6.25レベル、高値6.38レベルと、予想のレンジ内で上値が抑えられる一週間となりました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。