南アランド週報:『CPIは16年ぶり低水準。SARBでの追加利下げ観測再燃』(7/18朝)

南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸を阻む」シナリオが想定されます。

南アランド週報:『CPIは16年ぶり低水準。SARBでの追加利下げ観測再燃』(7/18朝)

『CPIは16年ぶり低水準。SARBでの追加利下げ観測再燃』

〇南ア円リスク選好ムードに一時6.47円まで上昇する(約1ヵ月ぶり高値)も週後半にかけ反落
〇米中対立、CPI低下による南ア中銀利下げ実施の思惑が重石
〇南ア円テクニカルには「下値の堅さ」印象付けるチャート形状
〇ファンダメンタルズは南アランド売りを想起させる材料多い
〇7/23南ア中銀(SARB)による政策金利発表は見方分かれ波乱含み
〇来週の予想レンジ 6.25ー6.55

今週のレビュー(7/13−7/17)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.37円で寄り付いた後、早々に週間安値6.34円まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線及び転換線に続落を阻まれると、@新型コロナワクチン開発への期待感や、A上記@を受けたリスク選好ムード(株高→新興国通貨上昇)が支援材料となり、週央にかけては、一時6.47円まで上昇する場面も見られました(約1ヵ月ぶり高値)。もっとも、直近高値(6/11高値)6.49円をバックに伸び悩むと、週後半にかけては再び反落。B南アフリカにおける新型コロナ感染者数の急増(ラマポーザ政権は国家的災害事態を8/15まで延長)や、C米中対立激化懸念の高まり(中国の景気先行き不透明感→中国と経済的な結び付きの強い南アフリカ経済の先行き不透明感→南アランド売り)、D南ア5月消費者物価指数(結果▲0.6%、予想▲0.5%)の低下(約16年ぶり低水準)、E上記Dを受けた南ア中銀による追加利下げ観測の再燃(インフレ鈍化を受けて来週7/23に予定されている南アフリカ中銀政策金利決定会合=SARBで追加利下げが実施されるとの思惑)が重石となり、結局、6.41円まで押し下げられての越週となっております。

来週の見通し(7/20−7/24)

南アフリカランド円相場は、6/18に記録した安値6.09円をボトムに反発に転じると、7/15には一時約1ヵ月ぶり高値となる6.47円まで上昇しました。この間、一目均衡表雲上限や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表基準線を上抜けするなど、テクニカル的にみて、「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(継続的な電力負荷制限)、B米中対立激化懸念(中国と経済的な結びつきの強い南アフリカへネガティブなインパクト)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナ第2波リスク(南アフリカ国内で感染者数が急増)、E南アフリカ中銀(SARB)による追加利下げ観測など、南アフリカランド売りを想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的に持ち直しの動きが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸を阻む」シナリオが想定されます。新型コロナ第2波リスクを巡るヘッドライン(南アフリカ国内における感染拡大→ロックダウン再開の恐れ)や、米中対立リスクを巡る続報、欧米株や原油先物価格の動向、南アフリカの主要経済指標(7/22に発表される南ア5月小売売上高など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(南アフリカ国内における感染者数急増+米中対立激化が南アランドの重石)。尚、来週は7/23に南アフリカ中銀(SARB)による政策金利発表が予定されております。今週発表された消費者物価指数が2004年9月以来の低水準を記録したことから、俄かに追加利下げ観測が再燃しました(3.75%→3.50%)。但し、「据え置き」を予想する市場参加者も複数存在することから、来週のSARBはやや波乱含みの展開が見込まれます。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.25ー6.55

『CPIは16年ぶり低水準。SARBでの追加利下げ観測再燃』

南アフリカランド円日足

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