トルコリラ円見通し 7月10日安値割れ回避からの持ち直し続く(20/7/17)

株式市場も為替市場もやや決め手に欠く状況だが、7月10日深夜と7月15日深夜の両安値をダブル底とした持ち直しの上昇が続いている印象だ。

トルコリラ円見通し 7月10日安値割れ回避からの持ち直し続く(20/7/17)

トルコリラ円見通し 7月10日安値割れ回避からの持ち直し続く

〇トルコ円17日未明に15.64をつけ、14日午前高値15.63をわずかに上抜く
〇対ドルでのトルコリラ、16日は6.863から6.846の範囲の小動き
〇来週のトルコ中銀の金融政策決定会合にて利下げの可能性も
〇トルコの新型コロナ感染、抑制続く
〇15.58以下での推移は一段安余地あり、15.65超えから15.68試しを想定
〇15.58割れから下げ再開、15.53試しを想定

【概況】

トルコリラ円はドル円と同調した動きが続いているが、ドル円の下落と同調して7月15日夜に15.53円まで下げたものの7月10日深夜安値15.51円割れを回避し、その後はドル円の持ち直しと同調して15.60円台を回復、ドル円が17日未明に14日夜高値へ迫る上昇となる中で15.64円をつけて14日午前高値15.63円をわずかに上抜いている。
株式市場も為替市場もやや決め手に欠く状況だが、7月10日深夜と7月15日深夜の両安値をダブル底とした持ち直しの上昇が続いている印象だ。

【ドル円は7月10日深夜と15日深夜の両安値で小ダブル底】

対ドルでのトルコリラが小動きのため、トルコリラ円はドル円と同調した動きが続いている。
ドル円は7月15日深夜に106.64円まで下げて10日深夜安値106.62円に迫ったが底割れを回避し、両安値を小規模なダブル底として切り返しに入っている。17日未明には107.40円まで戻したがダブル底の中間点にある7月14日夜高値107.42円超えには至っていない。107円を挟んで上下0.50円前後の持ち合いに留まる可能性とダブル底からの上昇を継続する可能性、ダブル底破れへ向かう可能性を抱えている。当面、107円以上での推移中は上向きとしてトルコリラ円にとってはプラスとみるが、107円を割り込む場合は下げ再開の可能性が強まるためにトルコリラ円の下落再開要因となりかねないと注意する。

【対ドルでのトルコリラは引き続き小動き、トルコ株堅調、感染抑制も続く】

対ドルでのトルコリラは6.85リラを中心とした膠着状態が続いており、7月16日も6.863リラから6.846リラの範囲に止まっている。当局の規制を意識しつつ売買が膠着している。ただし、7月3日に一時的な急落に見舞われたように、きっかけ次第ではフラッシュクラッシュ的なものにせよ大きく動き、その際にはトルコリラ円も大きく揺さぶられることもあり得ると常に注意したい。
来週の7月23日にはトルコ中銀の金融政策決定会合がある。前回の会合では利下げ予想に対して利下げ見送りとなったが、23日会合では現行の8.25%から8.00%へ利下げされる可能性もあるとみられている。23日には週次の外貨準備高、7月の消費者信頼感指数の発表もあるので動きやすいタイミングかもしれない。

トルコ株は堅調だ。イスタンブール100株価指数は7月8日から10日まで3日間続落したものの7月13日には前日比3.13%高と反騰し、14日は0.56%安と小反落したものの16日は0.91%高と切り返している。3月暴落後の反騰基調を継続しており、7月8日高値の後は新たな高値更新には進めていないが16日高値で迫っているところだ。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は続いているがトルコの感染拡大は抑制されている。7月16日時点でのトルコにおける新規感染者数は前日から933人増えて21万6873人となたが、7月14日の992人増、15日の947人増に続いて3日連続で千人を切った。6月2日に786人増まで増加ペースが落ちた後、経済活動再開により6月15日に1592人増まへ増えたが、その後は漸減傾向にある。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは7月10日深夜と15日深夜の両安値をダブルボトムとして反騰入りしている。14日午前高値を基準として今回の高値形成期は17日後是から21日午前にかけての間と想定されるので、15.58円以上での推移中は高値更新へ進む可能性ありとし、15.58円割れからは下げ再開を警戒して15日深夜安値試しを想定する。新たな弱気サイクル入りは15日深夜安値割れからとするが、その場合は20日夜から22日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、7月16日夜の上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも突破した。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からは下げ再開と仮定して安値試し優先とする。また先行スパンから転落するところからは下げが加速しやすいと注意する。

60分足の相対力指数は7月17日未明高値時に70ポイントに到達したがその後はやや下げている。相場が高値を更新する際に指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られる場合は下げ再開を警戒し、50ポイント割れからは下げ再開として30ポイント前後への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、15.58円を下値支持線、15.65円を上値抵抗線とする。
(2)15.58円以下での推移中は一段高余地ありとし、15.65円超えからは7月8日午前高値15.68円試しを想定する。15.67円以上は反落注意とするが、15.60円以上での推移なら週明けも高値を試す可能性ありとみる。
(3)15.58円割れからは下げ再開とみて15日深夜安値15.53円試しを想定する。15.55円以下は反発注意だが、15.58円以下での推移なら週明けも安値試しへ進みやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

7月23日
16:00 7月消費者信頼感指数 (6月 62.6)
20:00 トルコ中銀政策金利発表 (現行 8.25%、予想 8.00%)
7月27日
16:00 7月製造業景況感 (6月 92.6)
16:00 7月設備稼働率 (6月 66.0%)
7月29日
16:00 6月貿易収支 (5月 -34.2億ドル)
16:00 第2四半期観光収入
16:30 トルコ中銀インフレレポート
17:00 6月観光客数 前年比 (5月 -99.3%)
20:00 トルコ中銀MPC議事要旨



 注:ポイント要約は編集部

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