トルコリラ円見通し 15.60円台を維持しきれず上値が重くなる(20/7/15)

7月15日午前は15.60円を挟んで揉み合いとなっているが、週末からの戻りが一巡して下落期に入る可能性も懸念されるところだ。

トルコリラ円見通し 15.60円台を維持しきれず上値が重くなる(20/7/15)

15.60円台を維持しきれず上値が重くなる

〇トルコリラ円7/15午前は15.60を挟んで揉み合うも、週末からの戻り一巡し下落期に入る可能性も
〇対ドルでは、14日も6.87から6.85の範囲での小動き継続
〇トルコは本日「国家統一の日」の祝日で休場
〇トルコのコロナ感染者数、7/14は992人増で33日ぶりに1日千人切る
〇15.58以上での推移中は上昇余地あり、15.63を超える場合15.66前後への上昇を想定
〇15.58割れからは弱気サイクル入りし、7月10日深夜安値15.51試しへの下落を想定

【概況】

7月15日は国家統一の日でトルコは祝日休場。
トルコリラ円は対ドルでのトルコリラの動きが硬直的な状況が続いているためにドル円と同調した動きとなっているが、ドル円の下落により7月10日深夜15.51円まで下げたが、その後はドル円が戻しに入ったことでトルコリラ円も15.60円台前半まで戻してきた。7月14日午前には15.63円まで戻り高値を切り上げたが、14日夜にドル円が高値を若干切り上げたもののトルコリラ円は高値切り上げへ進めず、深夜からの反落で15.60円をいったん割り込んだ。7月15日午前は15.60円を挟んで揉み合いとなっているが、週末からの戻りが一巡して下落期に入る可能性も懸念されるところだ。
対ドルでのトルコリラは引き続き横ばいのため、トルコリラ円も当面はドル円の動きと同調した展開が想定される。

【対ドルでのトルコリラは横ばい続く】

対ドルでのトルコリラは7月3日に一時的に6.98リラまで売られたものの早々に元の水準へ切り返すフラッシュクラッシュ的な下落が発生したが、7月6日以降は再び落ち着き6月後半から続いている6.85リラを中心とした小動きとなっている。7月10日の高安レンジは6.87リラから6.85リラ、13日は6.87リラから6.84リラ、14日も6.87リラから6.85リラの範囲に止まっている。引き続きトルコ当局の取引規制・監視の動きを意識しつつ欧州金融機関による取引量も落ちているために動き難い状況のままとなっている。
イスタンブール100株価指数は7月8日から10日にかけて3日間続落したが、13日には3.13%高と反発し、14日は0.56%安と小反落しているが、コロナショックによる3月16日への暴落値幅をほぼ解消するところまで戻してきた状況を維持している。この反騰は欧米株式市場のアフターコロナ復興期待による上昇と同調している。欧米株高が続きトルコの株式市場も堅調推移している内はトルコリラも対ドルで確り下動きを維持しやすいと思われる。

【トルコの感染者増加数が千人を切る】

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は続いている。7月15日朝時点では、世界の感染者数は1344万人を超えた。米国は日々6万人前後の増加で354万人を超え、ブラジルも193万人に増加している。インドも93万人を超えて100万人に迫っている。ブラジルを除いた南米もチリ、ペルー、メキシコ等が上位10カ国に入っており日々深刻化している。南アも1日の増加数が1万人を超えて29.8万人に達している。
そうした中でトルコの感染増加数は抑制されている。7月14日時点では前日から992人増の21万4993人となったが、33日ぶりに千人を切っている。15日の検査数は4万3231件と多いが、積極的な検査により感染爆発の第二波到来を抑えている印象だ。回復者の累計も19万6720人となった。

トルコから海外への出稼ぎ労働者を乗せたカートレインがオーストリアを発車し、スロベニア、クロアチア、セルビア、ブルガリアを経由してトルコに到着した。体温検査等の検疫・入国手続きを行っているようだ。5月中は経済活動が大幅に規制されたもののロックダウンは週末に限り、6月からは経済活動がほぼ再開されている。7月からは観光客の受け入れも始まっている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは7月10日深夜安値を直近のサイクルボトムとして強気サイクル入りした。前回のサイクルトップは7月6日昼と8日昼の両高値によるダブルトップだったため、今回の高値形成期は8日昼高値を基準として13日昼から15日昼にかけての間と想定されるが、14日午前高値の後は失速気味のため既にサイクルトップをつけた可能性がある。15日朝安値15.58円を割り込むところからは弱気サイクル入りと仮定して15日夜から17日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では、7月13日夜の上昇で遅行スパンが好転し、先行スパンも上抜いたが、15日早朝への下落で遅行スパンは悪化し始めている。このため遅行スパン悪化からは安値試し優先とし、先行スパンから転落する場合は下げが加速しやすいと注意する。

60分足の相対力指数は13日夜高値から14日午前へ高値を切り上げたものの指数のピークが切り下がって弱気逆行となり、15日朝には50ポイントを割り込んだ。60ポイント以上へ切り返せない内は一段安警戒として30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7月15日朝安値15.58円を下値支持線、14日午前高値15.63円を上値抵抗線とする。
(2)15.58円以上での推移中は上昇余地ありとし、15.63円を超える場合は15.66円前後への上昇を想定する。15.66円以上は反落警戒圏とみるが、15.60円以上での推移が続く場合は16日午前も高値試しへ進む可能性が残るとみる。
(3)15.58円割れからは弱気サイクル入りと仮定して7月10日深夜安値15.51円試しへ向かう下落を想定する。15.51円を割り込む場合は15.47円前後へ下値目処を引き下げる。特に世界連鎖株安等と円高が重なる場合は下げ足が早まる可能性があると注意する。また15.58円以下での推移が続く場合は16日午前も安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

7月20日
 19:30 6月自動車生産 前年比 (5月 -53.7%) 
7月23日
 16:00 7月消費者信頼感指数 (6月 62.6)
 20;00 トルコ中銀政策金利発表 (現行 8.25%、予想 8.00%)
7月27日
 16:00 7月製造業景況感 (6月 92.6)
 16:00 7月設備稼働率 (6月 66.0%)
7月29日
 16:00 6月貿易収支 (5月 -34.2億ドル)
 16:00 第2四半期観光収入
 16:30 トルコ中銀インフレレポート
 17:00 6月観光客数 前年比 (5月 -99.3%)
 20:00 トルコ中銀MPC議事要旨
7月30日
 16:00 7月経済信頼感指数 (6月 73.5)

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