東京市場、株・為替ともに戻り弱く
ブレグジットキャンペーン中の英下院議員射殺で市場一旦沈静化
日米の金融政策見送り、英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐる金融市場の危機感から急速にリスクオフの円買いと株売りが進んだ昨日の金融市場でしたが、海外時間についに英国で残留派の女性下院議員が離脱派と見られる男に殺害されるという最悪の事態が発生。
これにより残留、離脱両陣営のキャンペーンの一時中止が決まったことで金融市場もようやく落ち着きを取り戻すこととなりました。
最近の世論調査が、キャンペーンの激化による離脱派の増加を示すものであったことから、今回キャンペーンの沈静化やなくなった議員への同情票から残留派が巻き返すとの見方が広がって、米国株式市場は反発、ドル円も104円台を維持して東京に戻ってきました。
日本時間午後の情報では残留、離脱のオッズは残留1/2離脱7/4と残留が67%程度まで戻しています。
東京では警戒感ぬぐえず、株為替ともに上値重し
しかし、東京市場では引き続きブレグジットに対する警戒感からドル円、株価ともに上値は重く、方向感のない取引に終始しました。
日経平均の終値は165円高の15,599円、ザラ場では一時15,700円を回復する局面もありましたがその後は伸び悩みました。他のアジア株も総じて小幅回復で終了しています。
市場のテーマは引き続きブレグジット中心となり、来週23日にもし離脱が決まると金融市場の混乱は避けられないと見られることから各国中銀は協調してドル資金を供給する体制を整える等の連絡を取り始めていると報道されています。
介入警戒感強まるも事前介入は難しいか
本日午前には財務省、金融庁、日銀が情報交換を実施、また、麻生財務大臣が為替相場は一方的に偏った投機的な動きであり、極めて憂慮しておりこれまで以上に必要なときにはしっかりと対応する旨の発言をしています。
そのため下値には介入警戒感も広がっていますが、実際に介入することがあるとしても離脱が確定した後と考えられ投票前の相場の下支えにはならないものと思われます。
いずれにしても23日までは各市場とも英国民投票の動向に左右される状況が続くことが予想されます。
序盤の欧州株価指数先物は概ね反発して始まっています。
今晩は21:30に5月米住宅着工件数の発表があります。
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