ドル/円は下げ幅帳消し、仕切り直しに
〇ドル円107円前半で底堅く推移、昨日下落分を取り戻して仕切り直し
〇米国は対欧州貿易交渉でも強硬姿勢
〇材料的には引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」を警戒
〇本日の指標発表が集中する前後は一時的に乱高下する可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジ、106.60-107.60
<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、ドルが小高い。レンジそのものは狭かったが、緩やかな右肩上がりで、目先安値を示現後のドル戻り高値を更新している。
ドル/円は107.05円前後で寄り付いたのち、細かな上下動を踏まえつつ、ドルは下値を少しずつ切り上げる展開。ちなみに、その過程ではゴトー日ということで、仲値不足など需給要因も取り沙汰されたが、仲値決定後もドル買いの流れそのものは継続している。日中高値である107.25円レベルまで一時上昇したのち、16時現在では107.15円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米欧の対立」について。
前者は、これまで執拗なほど韓国への敵意を剥き出しにしてきた北朝鮮が、昨日「朝鮮人民軍が17日に表明した4つの軍事行動計画を保留」するなど、突然その矛先を収めたことが逆に思惑を呼ぶ。そうしたなか、米韓国防相がテレビ方式の会談を行うと、北朝鮮に向け「2018年のシンガポール米朝首脳会談で署名した共同声明順守」などを要求した共同声明を発表していた。
対して後者は、米国が中国に続き、日本との貿易交渉に力を注ごうかというなか、欧州に対しても強硬姿勢を取り始めた。事実、昨日は「米国が英独仏などからの輸入品のうち31億ドルに対して新たに関税を設ける」との報道が観測されている。また、その後はポーランド大統領と会談したトランプ米大統領が、縮小方針を打ち出している「ドイツ駐留米軍の一部をポーランドに移す計画」を明らかにし、一部で物議を醸していたという。
<< 欧米市場の見通し >>
一昨日、「ソフトバンクグループによる米携帯電話大手TモバイルUSの保有株売却にともなう大規模円転思惑」−−などを材料に1円を超えるドル安・円高が進行したものの、昨日以降はその打ち返し。ドル買い戻しの流れを継いだ本日の東京時間には107.20円台と、完全なる「行って来い」。一昨日のドル下落起点レベルまで値を戻している。需給要因はいまだくすぶり、ドルの上値を抑制しそうなどとする声も聞かれるものの、レベル的には完全なるニュートラル。仕切り直しとなったことから、上下どちらに動いても不思議はない状況だ。
材料的に見た場合、「貿易や香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「米中対立」と「新型コロナの第2波」への警戒だろう。後者については、米国において感染者の増加ペースが再加速しているとの報道もあり予断は許さない。またカリフォルニア州のディズニーランドが再開を7月17日以降に順延することを明らかにしたことで、経済活動が制限される「ロックダウン(都市封鎖)」への警戒感が再び高まりつつあるようだ。コロナに関する続報などには注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、昨日筆者は「6月高値109.85円を中心としたシンメトリー(左右対称形)を形成しつつあるようにも見え始めた」−−とレポート。それからすると、106円前後で目先は取り敢えず下げ止まる可能性を指摘したが、実勢相場はまさにそんな展開をたどっている。仮に、こうした傾向が今後も続くとすれば、ドルはいま一段の戻りをたどり、その後は107-108円を中心とした揉み合いをたどる可能性を否定できない。
本日は、1-3月期のGDP統計確報や5月の耐久財受注速報などのほか、週間ベースの新規失業保険申請件数といった米経済指標が発表される予定となっている。なお、前述した3つの指標は、すべて東京時間の21時半にまとめて発表される見込みだ。指標発表が集中する前後の相場は一時的にせよ、乱高下をたどる可能性もある。また、米財務省による7年債の入札や、ボスティック・アトランタ連銀総裁による討論会参加などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.60-107.60円。本日東京高値にあたる107.25円レベルの攻防にまずは注視。近いレベルでは昨日もドルの上昇を止められており、予想以上に強い抵抗か。ただ、上抜ければ高値107.63円が再び意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、まず107円レベルそして106.80円、106.60円など20銭刻みで弱いサポートあり。底堅いイメージだが、それらを割り込むと昨日安値106.08円や105.99円などがターゲットに。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.11.22
ドル円154円台前半、本邦CPI高止まり等で一時154円割れ (11/22午前)
22日午前の東京市場でドル円は「往って来い」。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2020.06.26
ドル円、上昇後に伸び悩む展開。ボルカールール緩和報道で資産現金化需要が和らぐ(6/26朝)
25日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。