ランド円レポート月曜版(2020年6月22日)

先週のレンジは、安値が6.09レベル、高値が6.35レベルとほぼ予想レンジでの取引となりましたが、思った以上に上値が重たい一週間となりました。

ランド円レポート月曜版(2020年6月22日)

ランド円レポート月曜版

〇先週のランド円は予想以上に上値の重い展開
〇南アフリカは感染拡大の一方で経済活動を緩和
〇トルコと反政府リビア国民軍を支援するエジプト・ロシアとの対立も悪材料
〇今週のランド円は6.00レベルをサポート、6.30レベルをレジスタンスとする一週間か

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが「半値押しに近い6.10レベルをサポートに、前週までのサポートが位置する6.40レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が6.09レベル、高値が6.35レベルとほぼ予想レンジでの取引となりましたが、思った以上に上値が重たい一週間となりました。

先週のランド円は、週初こそ前週の下げに対する買い戻しも見られましたが高値が6.35レベルと前週金曜の高値圏から上がりきらなかったこと、また新型コロナウイルスの感染者拡大ペースが鈍らないことからすぐに上値の重たい流れへと転じました。17日にはラマポーザ大統領が国民向けの演説を行い、初感染者確認から100日が経っても感染状況は初期段階にあり、今後数か月あるいは数年に渡り拡大が続く恐れに言及しました。

また、感染拡大が続いているとしたいっぽうで、営業停止を続けるには限界があると説明し経済活動の緩和も発表しました。しかし、南アフリカの1日あたりの感染者数は20日に過去最高を記録し5000人に近づいていますし、これから冬となる中での緩和は更なる感染者数の増加につながるリスクは高いと考えざるを得ず、今後も継続的にランドの悪材料となってくるでしょう。

ただ、ひとつだけ知っておくべきことは、南アフリカは日本の人口の半分にも満たないにも関わらず検査数は2倍以上で、人口あたりの検査数は5倍以上という事実があります。検査数が多いゆえに陽性者をあぶりだしているということもあるでしょうから、そのあたりは差し引いて考えてもよいかもしれません。冬に向けて検査をしていくという体制は整っていそうです。

また、外部要因として中国が香港における国家安全法施行を急いでいること、インドとの国境では死者が出る紛争が起きていることも最大貿易相手国の問題として南アフリカにとっては悪材料となりましたが、現在世界的に中国とは一定の距離を置く方向になっていることを考えると、南アフリカにとっても今後対中貿易に与える影響は今までよりも不透明となってくる可能性はありそうです。

今週の経済指標は火水木と連日で出てくるものの、先進国でも新興国でも悪くて当たり前の状況は変わりませんので、よほど予想から外れた数字が出て来ない限りは大きな影響は出にくいと見ていてよいでしょう。失業率も気にはなりますが、1〜3月期と数字的には新型コロナウイルス感染拡大前のウェイトが大きいため、次回の数字の方が問題となりそうですし、もともと失業率が高い南アフリカ(前期で29.1%)ですから、ひょっとするとあまり話題とならない可能性もありそうです。

テクニカルにはやや気になるチャートの形状となってきました。今回はまず日足チャートから見てみましょう。

ランド円レポート月曜版

4月安値からの上昇が6月高値で終わり、現状は反転しやすいリバーサルパターンの形状に見えます。拡大していつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。

ランド円レポート月曜版 2枚目の画像

6月高値からはきれいなレジスタンスラインは引けないものの明確に下降トレンドとなっていることはわかります。日足チャートの4月安値と6月高値の61.8%押しにあたる5.97あるいは大台6円をターゲットに、テクニカルには一段安となりやすい流れにあると見てよさそうです。

今週のランド円は上記の通り大台6.00レベルをサポートに、上値は先週半ばの戻り高値に近い6.30レベルをレジスタンスとする一週間を見ておくこととします。

注:ポイント要約は編集部

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