『失業率は統計開始来最悪水準。来週は反落リスクに要警戒』
〇南ア円週初6.10まで下落の後南ア政府による追加コロナ予算で6.25まで上伸
〇南ア1Q失業率30.1%統計開始以来最悪で6.22まで戻して越週
〇南ア円、テクニカル、ファンダメンタルとも上値の重さが警戒される
〇来週の予想レンジ6.05ー6.40
今週のレビュー(6/22−6/26)
今週の南アフリカランド円相場は、週初6.15円で寄り付いた後、早々に安値6.10円まで下落しました。しかし、6/18に記録した安値6.09円をバックに下げ渋ると、南アフリカ政府による追加予算(新型コロナ対策向けに1300億円規模の追加財源確保)発表を受けた期待感が支援材料となり、週後半にかけては、一時6.25円まで反発する展開となりました。もっとも、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドに続伸を阻まれると、週末にかけては再び反落。南アフリカの第1四半期失業率が30.1%と統計開始以来最悪の水準を記録したこと等も重石となる中、結局6.22円まで押し戻されての越週となっております。
来週の見通し(6/29−7/3)
南アフリカランド円相場は、6/10に記録した約3カ月ぶり高値6.56円をトップに反落に転じると、6/18には、約3週間ぶり安値となる6.09円まで下落しました。この間、一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(今週は一時6.25円まで反発するも、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドを上抜けられず失速)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(南ア4ー6月期BER企業信頼感指数、1ー3月期失業率共に史上最悪水準)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(エスコムのCEOは6/22に「7月から長期的なメンテナンス作業を計画。来年8月まで続く」と発言)、B米中対立激化の再燃リスク(米中対立リスクが再燃すれば、中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済に悪影響が及ぶ恐れあり)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナ第2波リスク(南アフリカは外出規制を緩和した6/1以降で感染者数が増加傾向)、E世界的な株価下落に伴うリスク回避ムードの再燃リスクなど、不安材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ」が警戒されます。新型コロナ第2波を巡るヘッドラインや、米中対立リスクを巡る続報、欧米株や原油先物価格の動向、南アフリカの主要経済指標(6/30に予定されている1ー3月期実質GDP、5月貿易収支、7/2の1ー3月期経常収支など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(新型コロナ第2波リスク→株安・原油安→リスク回避ムード再燃→新興国通貨売り→南アフリカランド売りに波及する展開を想定)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):6.05ー6.40
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
南アランド円週報:『約1カ月ぶり安値を更新するなど上値の重い展開が継続中』(11/23朝)
南アランドの対円相場は、11/7に記録した約4ヵ月ぶり高値8.86円をトップに反落に転じると、今週前半にかけて、一時8.44円まで下落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
トルコリラ円週報:『トルコ中銀は政策金利の据え置きを決定。一巡後の反発に期待』(11/23朝)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、11/15にかけて、約3カ月半ぶり高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2020.06.29
ランド円ショートコメント(2020年6月29日)
ランド円のレンジは、安値が6.10レベル、高値6.25レベルと、予想レンジ内で思った以上に静かな値動きの一週間となりました。
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:山中 康司
2020.06.22
ランド円レポート月曜版(2020年6月22日)
先週のレンジは、安値が6.09レベル、高値が6.35レベルとほぼ予想レンジでの取引となりましたが、思った以上に上値が重たい一週間となりました。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。