南アランド週報:『3週間ぶり安値圏へ反落。新型コロナ第2波リスクが相場の重石』(6/20朝)

南アフリカランド円相場は、6/10に記録した約3カ月ぶり高値6.56円をトップに反落に転じると、今週後半(6/18)にかけて、約3週間ぶり安値6.09円まで急落しました。

南アランド週報:『3週間ぶり安値圏へ反落。新型コロナ第2波リスクが相場の重石』(6/20朝)

3週間ぶり安値圏へ反落。新型コロナ第2波リスクが相場の重石

〇南ア円、週初はリスク選好に6.35まで上昇
〇その後はコロナ第二波への警戒感、中印等の地政学リスクに値を下げ6.19で越週
〇南アは6/17映画館レストラン等営業再開するも織り込み済み
〇南アフリカランド円相場、テクニカル、ファンダメンタルズともに上値の重さ警戒される
〇南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ5.95ー6.30

今週のレビュー(6/15−6/19)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.29円で寄り付いた後、@米FRBによる広範な米社債を買い入れる(セカンダリー・マーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティ=SMCCF)との一部報道や、Aトランプ米大統領による総額1兆ドル規模の財政出動(インフラ投資)検討報道、B上記@Aを受けたリスク選好ムード(リスクオンの株高→クロス円上昇→南アランド円連れ高))を背景に、翌6/16に、高値6.35円まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲上限および一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、C新型コロナ第2波リスクへの警戒感(米中で発生しているパンデミック再燃リスクが南アフリカにも波及するとの警戒感)や、D中印および朝鮮半島を巡る地政学的リスクが重石となり、週後半にかけて、5/29以来となる安値6.09円まで下落しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、結局、6.16円での越週となっております。尚、ラマポーザ大統領は6/17に映画館やレストラン等の営業再開を許可しましたが、南アランド相場への反応は限定的となりました(外出規制解除は既に織り込み済み→sell the factの展開)。

来週の見通し(6/22−6/26)

南アフリカランド円相場は、6/10に記録した約3カ月ぶり高値6.56円をトップに反落に転じると、今週後半(6/18)にかけて、約3週間ぶり安値6.09円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(現在は一目均衡表基準線割れを試すステージ)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(先週発表された南ア4-6月期BER企業信頼感指数は史上最低水準を記録)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題、B米中対立激化の再燃懸念(米中対立リスクが再燃すれば、中国と経済的な結びつきの強い南アフリカ経済に悪影響が及ぶ恐れあり)、C中東を巡る地政学的リスク、D南アフリカ国内における新型コロナ第2波リスク(南アフリカは外出規制を緩和した6/1以降で感染者数が急増)など、不安材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ」が警戒されます。新型コロナウイルスに関する続報(南アフリカにおける感染者動向)や、米中対立リスクを巡るヘッドライン、欧米株や原油先物価格の動向、南アフリカの主要経済指標(6/23に予定されている1ー3月期雇用統計や、6/24の4月消費者物価指数および3月小売売上高、6/25の4月生産者物価指数など)の結果
を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(リスク回避ムードの高まりを背景に新興国通貨全般が売られる展開を想定)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):5.95ー6.30

注:ポイント要約は編集部

3週間ぶり安値圏へ反落。新型コロナ第2波リスクが相場の重石

南アフリカランド円日足

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