3. オーストラリアドル週報(2020年6月第3週)

オーストラリアドル週報(2020年6月第3週)

豪ドルは対ドル、対円で続落しましたが、経済が再開して最悪期は脱したとの見方も根強く、急落にも繋がっていません。

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オーストラリアドル週報(2020年6月第3週)

豪ドル/円、調整下げ続く。71.80割れで終えた場合は一段の下落へ。

〇豪州中銀の政策決定はサプライズ無くも、議事録では感染拡大の経済への影響懸念
〇5月の失業率は予想より悪化するもA$急落とはならず
〇A$円上値切り下げるも短期トレンドは強気維持、調整下げにとどまるか、71.80割れでは一段の下落も
〇週足も形状は下値リスクが高いが調整の範疇

16日の豪州金政策決定会合では市場の予想通り政策金利（キャッシュレート）の据え置きが決定されました。議事録の内容にもサプライズはありませんでしたが、「雇用・インフレが改善するまで利上げは行わない」「豪経済は1930年以来、最大の経済縮小を経験している」「財政・金融面での支援が必要となる可能性が高い」など、COVID19の感染拡大が経済に与える影響を懸念する内容となっています。また、18日に発表された5月の失業率は7.1％、雇用者数は▼227千700人といずれも事前予想の7.0％、▼77千人より悪い結果となり、豪ドルは対ドル、対円で続落しましたが、経済が再開して最悪期は脱したとの見方も根強く、急落にも繋がっていません。

チャートを見ると、日足は6/8に付けた76.78を直近高値として上値を切り下げていますが、3/19に付けた59.91を基点として下値を切り上げる流れには変化が認められず、調整的な下げに留まる可能性があります。この場合でも、75円台を回復して終えるまでは下値リスクを残した状態です。また、71.80割れで終えた場合は調整下げに留まらず、一段の下落に繋がる可能性が生じます。日足の上値抵抗は74.00-10、74.40-50、74.90-00に、下値抵抗は73.00-10、72.50-60、71.80-90にあります。21日移動平均線は73.41に位置しており、若干下抜けていますが“ダマシ”の範囲内です。また、120日、200日線は70.98と72.27に位置しており、短期トレンドは“豪ドル”強気の流れを維持しています。

一方直近の週足は“カブセの陰線”となり、続伸に繋げられずに越週しました。単体では下値リスクの高いものですが、3月に付けた59.91を直近安値として下値を切り上げる流れを維持しており、調整下げの範囲内に留まっています。但し、71.80割れで越週した場合は下値リスクが点灯、70円割れで越週した場合は“豪ドル弱気”に変化して一段の下落リスクが生じます。今週の週足の上値抵抗は74.90-00、76.70-80に、下値抵抗は73.00-10、71.80-90にあります。31週、62週週移動平均線は71.77と73.20にあり、若干上抜けていますが、75円台で越週するまでは下値リスクを残した状態です。また、可能性がやや低いものの、70円割れで越週した場合は“豪ドル弱気”の流れに戻して一段の下落リスクが生じます。

豪ドル/円、調整下げ続く。71.80割れで終えた場合は一段の下落へ。

豪ドル/円【週足】

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