豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)の予想
豪州の政策金利が明日2日(火曜日)に発表されます。
豪州準備銀行(中銀)政策金利予想(6月1日13時00分現在)
現行の0.25%を据え置き エコノミストのレンジはなし(全員0.25%予想)
政策金利推移(2020年5月末までと6月予想値…赤い線より右側)
豪州中銀は3月19日の臨時会合でキャッシュレートを0.25%に下げた以降は据え置きを継続で、6月も据え置き予想になっています。先々の予想(下表)を見ても0.25%が最低金利予想になっており、2021年2Qまで0.25%でレンジ無しの据え置き予想になっています。3Q以降は一部エコノミストが上限を0.50%に利上げ予想していますが、2022年に入るまでは現状維持です。今回も条件付き利下げを示唆する内容くらいに留まればあまり材料視はされないと思います。
今年3月〜4月時点では、市場は先々のゼロ金利予想をしていましたが、今後は非常に悪化した経済指標が続かない限りは、追加緩和期待も出ないと思います。豪州の3月の小売売上や貿易収支が非常に良かったので、今後はこの反動分を勘案した上、他の先進国の下落幅を上回るものが出れば利下げ期待に繋がりそうです。その意味で今週木曜日に予定されている4月小売売上高が3月8.5%⇒4月▼17.9%ですので、この辺りの数値が金利先読みのきっかけになりそうです。
上記はエコノミストの先々見通しとなっています。
前回までは2021年第1四半期までレンジが無く、2Q以降に上方レンジが拡大しています。今回6月は更に1四半期先延ばしの0.25%据え置き予想です。
尚、下記は5月19日公表の中銀の金融政策議事要旨の一部抜粋です。
(金融政策に対して考慮する事柄)
政策の決定を考えるにあたり、世界経済がコロナウィルスの突発発生により行動制限が起きることで各国が厳しい下振れを経験していることを委員達は確認した。多くの国は1930年代以降で、平和時で最大となった経済からの縮小を経験し、雇用市場は非常に弱い。たとえ感染率が下がり、制限が緩和され、巨額な財政支援や大幅な金融政策の両面で下支えられ、2020年の終わりに回復が始まったとしても、先行き見通しは不確実性が高いままである。
金融市場の機能は先月に回復した。それでも状況はまだ完全に平常化していない。クレジット市場は漸次開かれより強固になり、長期債は歴史的に低いままである。
委員達は、豪州で強固な、かつ協調し、前例のない財政や金融政策を行っている中で、異常な経済縮小に関して議論した。健康危機が過ぎ去り、制限が解除されてくれば、現在の政策により縮小幅が緩み、経済回復を下支えするとみている。それにより収入を支え、雇用関係を維持し、企業や家計への信用力供与を下支え、借入コストを低くできる。委員達は、強い資本力と流動性を有した豪州の銀行システムがこの困難な時期に豪州経済を元気づけ、経済反転を手助けすると確認した。
(中略)
理事会にて考察された豪州経済に対する諸種のシナリオについて、労働市場は進行中の生産余力を埋めることが期待され、インフレは今後数年2%以下が予想される。この見通しによれば、理事会は借入コストを低く抑え、家計や企業へ利用可能なクレジットを維持することで経済下支えの努力を保持していくことになる。中銀の政策パッケージは最近導入されたが、この最善の行動が実施済の現行政策を維持し、経済や金融の行方を密に監視しながら、委員達は査定していくことになる。理事会は、この困難な時期に、雇用・収入、そして企業を支えることを約束し、豪州が将来の回復をうまく行くように支えることを約束する。
(金融政策)
理事会は3月19日に発表された以下の各要因を再確認した。
・キャッシュレートを0.25%目標とする
・豪州3年債のイールドを0.25%目標とする
・企業…とりわけ中小企業への信用を下支えするために期間物資金調達機能を行う
・中銀の為替決済残高に対する付利を0.1%とする
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
豪ドル米ドル相場はシカゴポジション232を御参照願います。
次回金融政策発表は2020年7月7日(火曜日)に予定されています。
オーダー/ポジション状況
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