米中対立への警戒感くすぶるが結局レンジか(6/1夕)

週明け1日の東京市場は、ドルが小安い。当初はドル買い優勢となったが続かずに、結局一日の安値圏で大引けている。

米中対立への警戒感くすぶるが結局レンジか(6/1夕)

米中対立への警戒感くすぶるが結局レンジか


〇ドル円は107円台で小安く推移
〇6月予定されていた「対面式」G7は9月に延期
〇香港をめぐる米中対立は双方ギリギリ踏みとどまっているが、一線超えれば金融市場動意づくか
〇ドル円予想レンジは、107.05-107.95
〇製造業PMI確報、ISM製造業景況指数等の米経済指標に注目

<< 東京市場の動き >>

週明け1日の東京市場は、ドルが小安い。当初はドル買い優勢となったが続かずに、結局一日の安値圏で大引けている。

先週末は、トランプ米大統領の発した「WHO離脱」話がそこかしこで思惑を呼ぶ。また、同じくトランプ氏が提案した「G7開催を9月延期にする」ことも、話題になっていたようだ。そのほか、「香港情勢」に関するニュースも数多く取り沙汰されている。
そうした状況下、週明けのドル/円は107.60-65円で取引開始。先週末のNYクローズより、ややドル安・円高レベルで寄り付いている。しかし、同レベルを安値に当初はむしろドル買いが先行すると、107.85円レベルまで取り高に推移。ただ、上値も重く上げ渋ると、その後は一転してじり安となり、日中安値である107円半ばへと値を崩す展開に。16時現在では107.60円前後で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「G7をめぐる動き」と「香港情勢」について。
前者は、トランプ氏が当初提唱した「対面式G7開催」について、安倍首相などが賛意と出席の意向を示すなか、メルケル独首相は「参加辞退の意向」を示す。足並みの乱れが取り沙汰されるなか、今度はトランプ氏から新たに6月開催予定だったものを「9月に延期する考えが示された」うえ、日本など正規の参加国だけでなくロシア、韓国、豪州、インドの各国を招待する意向が聞かれたことが「中国包囲網を敷く構え」−−などと話題に。
対して後者は、中国による香港法制について、米英首脳が電話会談を行い懸念を表明。またEUも同じく懸念を示したが、内容的には米国の強硬姿勢とは距離を置く形で、中国との対話の重要性を強調していた。反面、中国サイドはというと、環球時報が「米による香港優遇措置撤廃は無謀で恣意的な措置」と非難したほか、人民日報は「トランプ氏の香港介入は言語道断の介入であり、失敗する運命にある」と強く糾弾していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

香港情勢を中心とした米中対立が激しさを増している感も否めないが、取り敢えずは口先だけ。しかも、先週末のトランプ会見が典型的だったように、「対中制裁措置」についての具体的な言及がなされないように、双方ともギリギリのところでは踏み止まっているようだ。そのあたりを金融市場は見透かすと、ドル/円などの動きの鈍さに繋がっているのかもしれない。ただ、逆に言えば、米中どちらかが一線を越えた対応に出た場合、金融市場も再び動意づく危険性がある。

材料的に見た場合、「貿易問題のほか香港情勢などを含めた米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「コロナ治療薬をめぐる動き」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは、引き続き「新型コロナウイルス」関連のニュースだが、バリューそのものは以前より落ちている。むしろ、震源地はそのコロナ問題だが、貿易問題や台湾、香港など多方面に広がりをみせる「米中の対立」や「米のWHO離脱」に関する続報に注意を払いたい。また、今週は重要な米経済指標の発表が相次ぐが、そちらも数字如何では波乱の材料に。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去2週間程度、107円台を中心としたレンジ取引で目立った方向性がうかがえない。具体的には107.06-108.09円という、およそ1円レンジにとどまっており、まずはレンジブレークの方向性とタイミングが注視されている。
ちなみに上抜けば、移動平均の200日線などが位置する108.30円レベルをまず目指す反面、底割れすれば106.74円や105.99円などがターゲットに。

本日は、5月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標が発表される予定となっている。4月の指標は予想より悪いものが多かったが、5月分は数字自体冴えないものの、予想値よりは良好という指標が多い。本日でいえば、後者のISM製造業景況指数は予想値43.7と前月からの改善が見込まれているが、果たして実際の数字はどの程度になるのだろうか。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.05-107.95円。時間足ベースなど短期的には先週だけで最低4度ドルが上げ止まっている107.90-95円をめぐる攻防にまずは注目。上抜ければ108.09円などが再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値にあたる107円半ばが最初のサポート。割り込むと、先週末に記録したドル安値107.06円がターゲットとなる。

米中対立への警戒感くすぶるが結局レンジか

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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