ドル円 ドルは140円割れ、下値余地さらに拡大か(9/16夕)

週明けのアジア市場はドルが弱含み。昨年7月28日以来の140円割れを示現する局面も観測されている。

ドル円 ドルは140円割れ、下値余地さらに拡大か(9/16夕)

ドルは140円割れ、下値余地さらに拡大か

〇アジア時間のドル円、先週末安値140.29に続き、139.70-75示現、安値圏で推移し欧米市場迎える
〇140円割れは昨年7月28日以来、ドルの続落リスク高く、明確な下値メドは昨年7月安値137.25
〇米国「9月0.5%利下げ」見通しが勢い増し、ポジション大きく偏るなか日米金融政策決定会合は要注視
〇ドル高円安方向、140円、140.20-30の攻防注目、上値重くなりつつあり141円レベルがターゲット
〇ドル安円高方向、少し遠いが一気に139円割れという展開がないとも限らない
〇欧米時間のドル円予想レンジ、139.00-140.50

<< アジア市場の動き >>

週明けのアジア市場はドルが弱含み。昨年7月28日以来の140円割れを示現する局面も観測されている。

週末には、高市経済安全保障担当相が、日本記者クラブ主催の自民総裁候補討論会で、「金融緩和は我慢して続けるべき」と発言したと思惑を呼ぶ。一方、トランプ氏を狙った「暗殺未遂」と見られる事件がまたもや発生。物議を醸していたようだ。
そうした状況下、ドル/円は140.70-75円で寄り付いたのち、日中高値の140.90-95円を示現するもドルの高値追いはそこまで。以降は、東京や中国市場が休場となるなか、下方向のストップ狙いの動きなどから終日ドル売りが優勢だった。そうしたなか、先週末安値140.29円に続き、140円割れも示現し日中安値の139.70-75円へ。16時現在そのままドルの安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「イラン情勢」について。
前者は、週末にホワイトハウスでバイデン米大統領はスターマー英首相と会談を実施。ウクライナからの要請があった供与兵器によるロシア領攻撃を議論したものの、バイデン氏は慎重姿勢を維持するなか、スターマー氏は制限撤廃に前向きの見解を示していた。それに対して、ロシアの国連大使は、西側諸国が長距離攻撃を認めれば「NATOはロシアと直接戦争」に関与することになると警告したという。一方、それとは別にバンス米共和党副大統領候補から「ウクライナのNATO加盟を認めない」とする発言も伝えられていた。米民主党と共和党、それぞれ立場としては「中立」を公言しているが、米大統領選を控えているなか、ロシアの顔色をうかがうような弱腰外交姿勢がそこここで話題となっていたようだ。

後者は、週末にG7外相が、ウクライナに侵攻するロシアに対し、イランが弾道ミサイルを輸出しているとして「可能な限りもっとも強い言葉で非難する」とした声明を発表している。しかし、あまり堪えていないようで、むしろイランの公共メディアによると、同国の「ペゼシュキアン大統領が10月22日から24日にかけてロシアのカザンで開催予定のBRICS新興主要国グループサミットに出席することを明らかにした」という。また、ペゼシュキアン氏はそこでロシアのプーチン大統領と会談する予定とされ、枢軸としての結び付きがさらに強まる可能性も取り沙汰されていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日のアジア時間、東京や中国市場が休場となるなかドルが続落し、140円割れ。とくに新しい材料があったわけではないが、薄商いのなかの間隙を突いた動きだったようだ。いずれにしても、ドルの続落リスクが高いことは間違いなく、明確な下値メドとなると昨年7月安値の137.25円か。さすがに一朝一夕に到達するとは思えないものの、さらなるドルの下落にも注意払いたい。
市場は今週実施予定の日米の金融政策決定会合に注目。うち日本については「金利据え置き」との見方でほぼコンセンサスが出来ており、サプライズも予想しにくい。しかし問題は米国で、とくにここにきて「9月0.5%利下げ」見通しが、大きく勢いを増していることは気掛かり。以前、日経新聞は「米利下げ期待、『強すぎ』懸念」と報じたことがあったが、果たして死角はないのだろうか。ポジションは大きく偏っているし、個人的にはあまり下値を売りたくない気もしている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨年7月28日以来の140円割れを示現し、本稿執筆時でも139円台で推移している。比較的早いタイミングで回復しないと、徐々に140円レベルが重くなり、今後抵抗になりそうな気もしている。
それに対するサポートは、139円台など近いレベルになく、もっとも近いもので138.05円そして137.25円か。売られ過ぎは間違いないものの、それでもドルはいま一段の下落をたどる可能性がある。

本日は米経済指標として、9月NY連銀製造業景況指数が発表される予定となっている。「米大幅利下げ」期待が強まっているという現在の地合いからすれば、悪い数字が出た場合にはドル売りの理屈付けに使われる可能性もありそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.00-140.50円。ドル高・円安方向は、140円あるいは140.20-30円の攻防にまずは注目。上値は重くなりつつあるが、141円レベルが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、ドルが下値をどんどん切り下げており、ハッキリ言って「これ」というターゲットが見当たらない。少し遠いが本日アジア時間の勢いからすると、一気に139円割れなどという展開がないとも限らない。

ドルは140円割れ、下値余地さらに拡大か

ドル円日足


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