ドル円、心理的節目140.00を割り込み、約1年2カ月ぶり安値圏へと下げ幅拡大(9/17朝)

週明け16日(月)のドル円相場は急落後に持ち直す展開。

ドル円、心理的節目140.00を割り込み、約1年2カ月ぶり安値圏へと下げ幅拡大(9/17朝)

心理的節目140.00を割り込み、約1年2カ月ぶり安値圏へと下げ幅拡大

〇ドル円、FOMCでの大幅利下げ観測強まり、欧州時間朝方にかけ139.58まで急落
〇売り一巡後は、反動買い、米株の堅調、米指標の好調等に米国時間に140.91まで反発
〇ユーロドル、ECB10月利下げ観測後退等に1.11台前半に上昇しての推移
〇ドル円心理的節目である140.00を割り込み、約1年2カ月ぶり安値139.58まで急落
〇日足と週足の双方で強い売りシグナルが点灯、テクニカルな売り日つながるリスクを孕む
〇本日の予想レンジ:139.00ー141.50

海外時間のレビュー

週明け16日(月)のドル円相場は急落後に持ち直す展開。(1)前週来続くドル売りの流れの継続(米WSJ紙と英FT紙による50bp利下げの可能性を示唆する記事掲載の影響を受けて、米FRBによる大幅利下げ観測が再燃→米長期金利急低下→米ドル全面安)や、(2)米中貿易摩擦に端を発した米中対立激化懸念(米通商代表部は中国から輸入する電気自動車などへの制裁関税を9/27に引き上げることを発表→中国商務省は対抗措置を示唆)、(3)市場参加者に意識されていたサポート水準(昨年12/28に記録した安値140.25や心理的節目140.00)を割り込んだことに伴う仕掛け的なドル売り・円買いが重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値139.58(昨年7/28以来となる1年2カ月ぶり安値圏)まで急落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)急ピッチな下落に対する反動買いや、(5)米主要株価指数の堅調推移、(6)米長期金利の低下幅縮小、(7)米9月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果+11.5、予想▲4.0)の市場予想を上回る結果が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値140.91まで反発しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/17午前6時00分現在)では、140.60前後で推移しております。尚、昨日は高市経済安全保障担当相より「金融緩和は我慢して続けるべき」「低金利を続けるべき」との利上げ牽制発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

週明け16日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間早朝にかけて、安値1.1075まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)前週来続くドル売りの流れの継続(米WSJ紙と英FT紙による50bp利下げの可能性を示唆する記事掲載の影響を受けて、米FRBによる大幅利下げ観測が再燃→米長期金利急低下→米ドル全面安)や、(2)ECBによる10月利下げ観測の後退(ラガルドECB総裁は「欧州経済が悪化すれば10月利下げの可能性も出てくるが包括的な情報が入手できるのは12月会合」と発言)、(3)ドイツ中銀ナーゲル総裁による「消費者物価指数は来年末までにECBが目標とする2%まで減速する見通しだが、政策当局者は警戒を緩めてはならない」との見解発表、(4)ユーロ圏7月貿易収支・季調済(結果155億ユーロ黒字、予想150億ユーロ黒字)の市場予想を上回る結果が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値1.1138まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/17午前6時00分現在)では、1.1133前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は心理的節目である140.00を割り込み、約1年2カ月ぶり安値となる139.58まで急落しました。こうした動きの背景には、米WSJ紙や英FT紙がサプライズ的に50bp利下げの可能性を示唆する記事を掲載したことが挙げられます。これにより、今週の米FOMCで50bp利下げが実施されるとの観測が急浮上しました。CMEのFed Watch Toolによると、50bp利下げの織り込み度合いは1週間前の30%から現在では67%まで急上昇しています。同時に発表されるドットチャートについても、6月時点の数値から大幅な下方修正が見込まれています。この影響で米長期金利が急低下し、米ドルが幅広く売られる展開となりました。幸いにも株式市場は米長期金利の低下を好感し、値を保っていますが、米国のハードランディング懸念が高まれば、リスク回避の円買いが加わり、さらなる下落リスクが浮上します。

加えて、日足と週足の双方で強い売りシグナルが点灯していることも、テクニカル的な「売り圧力」に繋がるリスクを孕んでいます。以上を踏まえ、当方では引き続きドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米国の主要経済指標(8月小売売上高、鉱工業生産、設備稼働率、9月NAHB住宅市場指数)が複数予定されているため、米国時間帯のボラティリティ拡大(特にダウンサイド)が警戒されます。通常、重要イベント(米FOMCや日銀金融政策決定会合)を控えた状況では様子見ムードが強まりますが、現在のドル円相場は箍が外れているため、重要イベント前でもボラティリティの高い不安定な相場展開が続きそうです。

本日の予想レンジ:139.00ー141.50

注:ポイント要約は編集部

心理的節目140.00を割り込み、約1年2カ月ぶり安値圏へと下げ幅拡大

ドル円日足

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