豪州中銀金融政策記者発表(2020年6月2日開催分)
本日開催の豪州中銀金融政策は前回据え置きの0.25%となりました。記者発表の内容は以下の通りです。特に目新しい内容はなく、3月の緊急理事会で決めた政策の維持を述べています。
(要旨)
今日の会合で、理事会は現状政策の維持を決定した。これにはキャッシュレートの目標や豪州債3年物の利回りを0.25%にすることを含んでいる。
世界経済は国々がコロナウィルス阻止を求められていることで、厳しい下方圧力を経験している。多くの人々は仕事を失い、急激な失業率上昇にあっている。前月には、感染率が多くの国で下がり、行動制限の幾つかが緩和された。もしこれが続けば、大規模財政政策や強烈な金融緩和に支えられて、世界経済の回復は始まる。
世界的にみて、幾つかの市場ではまだ脆い状態があるものの、金融市場の状況は改善を続けている。ボラティリティは下落し、クレジット市場は漸次強固になっている。債券市場は歴史的に低い水準である。
豪州では、国債市場は効果的に機能しており、豪州3年債の利回りは約0.25%を目標としている。これらの進展踏まえ、中銀は前回会合以降では一度だけ国債を購入した。全購入額は500億豪ドルである。中銀は国債購入をスケールアップする準備ができており、債券市場が機能し続けることを保証し、豪州3年債の利回り目標を達成するために必要なあらゆること行う。完全雇用とインフレ目標に向け、進展が達成されるまで、その目標は維持される。
中銀の市場オペは、豪州の金融市場で高水準の流動性を維持し続けることである。認可された預金受入機関は、期間資金調達機能を利用しており、現在までに合計60億ドルの引き出しが行われている。この先も、この機能を一段と使うことが期待されている。
豪州経済は非常に困難な時期におり、1930年代以降では最大の経済収縮を経験している。4月に、全労時間が前例のない9%もの下落をし、雇用は60万人以上が職を失った。多くの人は労働時間ゼロであった。家計支出は非常に弱くなり、投資計画は延期かキャンセルになった。
これらの動きがあるにも関わらず、下落幅の深さは当初の予想よりは少ないとみられる。新しい感染率はかなり下がり、幾つかの制限は当初想定されたよりも早く緩和された。5月初めには、急激に下がっていた全労働時間が安定してきた兆候が見えている。また、個人支出の幾つかの分野で改善が見られた。
しかしながら、予想された回復のスピードなどを含めて、見通しはまだ不確実性が高い。パンデミックはまだこれから長い間、経済に影響を与えるだろう。目先を見ると、多くのことは、人々や企業が健康状態や自身の資金に関して自信を持てるかどうかにかかっている。
豪州において、堅固で、協調的で前例のない財政および金融政策の緩和が、この困難な時期に、経済を手助けするだろう。この財政と金融の支援が暫くの間必要とされる。
理事会は雇用、収入、企業を下支えし、豪州が回復に向かっていることを確信するためにできることを行うことを約束します。その行動により、借入コストが低くなり、家計や企業への信用供与を支えている。この緩和的なアプローチは必要とされるだけ長く維持される。理事会はこの進展が完全雇用に向けて行われ、それによりインフレが目標とする2〜3%になるまで、キャッシュレートの引き上げをしない。
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
豪ドル米ドル相場は金融政策発表前に0.6786〜89米ドル付近で推移していましたが、発表後は豪ドルが堅調になり、約20ピップス程度買われています。記者発表の内容には新規の追加緩和もなく、現状のスタンスを長期間維持する内容ですので、明日以降の1Q・GDPや小売売上高の結果次第になりそうです。
(2020年6月2日14時40分、1豪ドル=0.6805米ドル)
オーダー/ポジション状況
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