短期はNZの上値余地を探る動き。中期はNZ弱気の流れ。
金利据え置きでN$急騰、対円では反落リスクも
ニュージーランド経済は引き続き好調さを維持しており、6/9にNZ中銀は市場の予想通り政策金利を2.25%に据え置くことを決定しました。これを受けてNZドルは対ドル、対円で上昇転じましたが、NZ円については4月末の日銀金融政策決定会合後の急落地合いで短期トレンドがNZ弱気に変化しており、77円超えで越週しない限り、反落の可能性に警戒が必要です。
76〜77円の壁が壁となる可能性
日足を見ると、5/6に付けた72.55で一旦底打ち、下値を切り上げる流れを維持していますが、一方で、昨年12月に付けた82.88を戻り天井として上値を切り下げる流れからは完全に抜け出し切れておらず、この上値抵抗は76.00近辺に位置しています。76円超えに日足の実体を戻した場合は、下値リスクが軽減されて上値余地を探る動きが強まると見られますが、200日移動平均線が77.49に位置していることから、77円台半ば超えに値を戻さない限り、下値リスクを残すことになります。一方下値も、74.00-10近辺に強い下値抵抗が出来ており、これを日足の実体ベースで割り込んで終えない限り、下値余地にも限りがあります。
74円割れの越週で一段の下落リスクが点灯
一方直近の週足は、十文字の寄せ線に近い形となり、週初の寄り付き水準に押し戻されています。下値リスクに注意する必要があることを示すものですが、今週は週初から下値を攻めきれずに反転、上値トライの動きに転じています。しかし、昨年4月に付けた92.41を起点として上値を切り下げる流れからは抜け出しておらず、この週足の上値抵抗が今週は76.60-80近辺にあること、31週移動平均線も77.05に位置していることから77円超えで越週しない限り、NZ強気転換せず、下値リスクにも引き続き注意が必要です。現状は、日足、週足ベースで見た強い下値抵抗が74.00-10にありますが、これを下抜けて越週するか、73.50割れで越月した場合は、短期トレンドが変化して一段の下落リスクが生じます。また、74円割れで越月した場合は、2009年2月に付けた大底44.25を起点とする長期サポートラインを下抜けて長期トレンドも“NZ弱気”に転換します。
NZ/円【週足】
(6/8現在31週移動平均線は77.05に、62週線も80.19にあり中期トレンドは“キウィ弱気”の流れにある)
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