豪ドル/円、上値余地を探る動きが継続中。70円台の抵抗に注意。中期は弱気。
29日に発表されたオーストラリア第1四半期の消費者物価指数は前期比+0.3%、前年比で+2.2%と市場予想よりやや強めの数値となりましたが市場は反応しませんでした。中国全人代の開幕が5/22に決まったことで中国国内での新型コロナウイルス感染が終息に近づいているとの見方や経済対策への期待感が高まっていること、また、米国で抗ウィルス治療薬の治験成功の例が報告されるなど、感染のピークアウトへの期待感が先行しており、中国との貿易関係の深い豪ドルは対米ドル、対円で上値トライの動きが継続中です。
チャートを見ると、日足は3/19に付けた59.91を直近安値として上値余地を探る動きが継続中です。また、4/14に付けた直近高値69.26も上抜けており、短期トレンドは強い状態を維持しています。一方で70円台には中期的な上値低抵抗が控えていることや、中期トレンドがまだ弱い状態にあるので、高値圏での揉み合いの可能性や上値トライに失敗して反落する可能性にも注意する必要がありそうです。日足の上値抵抗は70.20-30、70.80-90に、下値抵抗は69.30-40、68.70-80にあります。短期トレンドは“豪ドル強気”の流れにありますが、68円割れで終えた場合はトレンドが変化して下値リスクが高くなります。21日移動平均線は68.17に位置しており、短期トレンドをサポート中ですが、120日、200日線は71.86と72.41に位置しており、中期トレンドは弱いままです。
一方直近の週足は実体が小さく下ヒゲのやや長い陽線引けとなり、下値トライに失敗した形となりました。この反動で今週は週初から上値トライの動きが先行しており、高値圏で推移しています。しかし、上値を切り下げる流れには変化が認められず、この週足の上値抵抗が70.60-70に控えていることから、これをしっかり上抜けて越週するまでは下値リスクへの警戒が必要です。また、68円割れで終えた場合は短期トレンドが変化、可能性がまだ低いものの、65円割れで越週した場合は一段の下落に繋がり易くなります。今週の週足の上値抵抗は70.60-70、71.10-20に、下値抵抗は68.70-80、68.30-40にあります。31週、62週移動平均線は72.26と74.00に位置しており、中・長期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに変化が認められません。
豪ドル/円【週足】:4/30現在31週移動平均線は72.26に、62週線は74.00にあり、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにある。)
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