オーストラリア2020年第1・四半期消費者物価指数結果(出所:豪州統計局)
オーストラリア統計局は29日に2020年第1・四半期の消費者物価指数(CPI)を公表しました。内容は四半期ベース比で+0.3%(予想+0.2%)、前年比ベースでは+2.2%(同+2.0%)となり、両数値共に予想を上回り、コロナウィルスによる影響は少なかった模様です。
主な要因
前年比でみると、下落要因は前回に続き通信のみでした。
一方、上昇要因は食品と非アルコール飲料、アルコールとたばこ、健康、教育関連が物価上昇を牽引しています。
豪州統計局によれば、干ばつと山火事、及びコロナウィルスの初期段階の影響により幾つかの食品価格上げの要因になったと分析しています。また輸送関連は自動車燃料の価格下落によりマイナスの影響になったとしています。
また、下図チャートを見ると、第1四半期CPIの年率は2.2%になり、中銀目標レンジ内に入ってきました。一方で政策金利が過去最低の0.25%ですので、非常に違和感ありますが、コロナウィルスによる影響の本格化は第2四半期の消費者物価指数からとの予想になります。
さて、ジョンズ・ホプキンス大学の資料によれば、豪州のコロナウィルスの新規感染数は3月28日の497人を最多に、4月1日には303人でしたが、4月26日20人、27日7人、28日20人と激減しており、このままいけばオセアニアはかなり早い段階で終息の可能性がでてきます。対中との貿易が大きく、その中国もウィルスの状況はかなり改善しているので、時間経過により経済の前向き予想が出てきてもおかしくはありません。もし第2四半期の消費者物価もあまり下がらず、GDPへの影響も少ないとなれば第2四半期が2020年の底になる可能性を頭に入れて置く必要があるかもしれません。
前年比ベースCPIと中銀政策金利推移…緑の線は中銀のインフレ目標金利値
下図は豪ドル米ドルの週足です。ライン(=0.6850)とB(=0.6050)の豪ドル安トレンドライン内で推移しています。このライン内に抵抗線C(=0.6450)がありましたが、今週足で抜いています。明日のNY終値で確認されますが、もし確認されればラインD(=0.6680)が次の抵抗線になります。逆に下値は明日の終値でCを割り込んでくれば、目先の豪ドル上げは終了になります。シカゴポジションの豪ドルショートと合わせて、5月以降の豪ドルは大きく変わってくる可能性もあります。
(4月30日12時50分、1豪ドル=0.6552米ドル)
オーダー/ポジション状況
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