豪州中銀総裁スピーチ(2020年4月21日)

豪州中銀のフリップ・ロウ総裁がシドニーで講演を行いました

豪州中銀総裁スピーチ(2020年4月21日)

豪州中銀総裁スピーチ(2020年4月21日)

豪州中銀のフリップ・ロウ総裁がシドニーで講演を行いました。以下はコロナウィルスの影響による豪州経済に関する部分の和訳です。

(一部要旨)
経済見通しは最も順調な時でさえ難しい。人生で一度しか経験しない様なこのような時は更に難しい。最も近い小数点まで合わせる見通しはあまり意味がないと思う。その代わり2つの大きな問題に焦点を充てたいと思う。

・目先の経済観
・回復のスピード度合い

今後2〜3ヶ月は豪州経済には厳しい時となるだろう。ウィルスを封じ込めるのに必要な努力で非常な明白な効果の1つは、多くの通常活動が制限され禁止されることである。それらの制限が適切である限り、我々はこれらの経済活動により派生する、仕事や収入が持てないことを意味する。将来に対する不確実性が非常に高く、多くの家計や企業が消費や投資を控えることを意味する。

制限や不確実性の結果、2020年上半期に亘り、我々は1930年代以降、最大のGDPや収入の収縮を経験するだろう。

この収縮の度合いに関する正確な数値を出すことは難しい。しかし、現状考えられることは以下である。

・GDPはおそらく2020年上半期で約10%下落するだろう。この下落のほとんどは第2四半期に起こるだろう。
・豪州の全労働時間は、今年上半期でおそらく約20%下落するだろう。
・失業率は6月迄に約10%になるだろう。しかし、企業が短い時間で雇用を維持してくれるならば、これより低くなると私は期待している。失業率は政府の雇用維持補助金がなければこれより高くなるだろう。

これら全てはほんの数ヶ月前には想像もできない位の非常に大きな数値です。これらはウィルスを封じ込めるのに、我々の社会が直面した計り知れない挑戦を物語っている。

インフレに関しても、我々は第2四半期に著しい下落を予想している。原油価格の暴落と、無料児童保育や幾つかの予定されていた値上げの延期または引き下げにより、年度末消費者物価指数が第2四半期にはおそらくマイナスになるだろう。もしそうだとすると、これは物価水準が1年通して下落した1960年代初期以来のことになる。しかしながら、基本のインフレはまだポジティブを保っている。

(中略)

当然のことながら、回復のタイミングやペースは我々の経済活動の制限の必要な期間に依存している。それは如何に効果的にウィルスを封じ込められるかに係っている。それを正確に、かつシナリオの期間を考えるのは難しい。これらに関し、中銀は今後数週間の「金融政策声明」内で、幾つかの可能なシナリオを議論することになるだろう。

1つの考えられるシナリオとして、経済の制限が年央にかけて順次減り、年末にはほとんど解除された場合である。これには海外旅行の制限を除いてである。
このシナリオの下では、経済が第3四半期に向けて回復し、そこから強さを増していく。これがうまくいけば、経済は今年にGDPが約6%下落後に、来年には…おそらく6〜7%の伸びとなる…強く成長すると期待できる。この数値には多くの不確実性が残っている。と言うのも、制限が解除される時期や人々が将来に感じる不確実性の解決に依存しているからである。

失業率に関する先行きを見通すのはより困難である。これはどの位の従業員が企業に残っていられるのかや、離職した人が雇用を探せるかなどの不確実性があるからである。しかし、失業率は今後2〜3年で6%越えに留まるだろう。多くの企業が賃金上げを遅らせたり、無くしたりで、年度末の賃金の伸びは2%以下まで下がると予想している。その後、徐々に賃金上昇するだろう。この状況下で、インフレは今後2〜3年で2%以下が予想される。
勿論、制限が予想以上に早く解除されたり、一層長く維持されたりで状況は変わってくる。
(以下略)

(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

下図は豪ドル米ドルの週足チャートです。豪ドル安トレンドラインのA(=0.6880)とB(=0.6070)内に回帰してから上昇を続けていましたが、ラインC(0.6480)に止められて反落しています。先週足の高値が0.6450付近でしたのでほぼ上限に当たり、上ヒゲを作った上に今週足が昨日まで陰線となっています。今週の寄り付きが0.6350ですので、金曜日終値でここを越えていれば陽線になり、その場合は来週以降再度Cトライの可能性が広がります。逆にこのまま陰線引けになれば、B方向狙いになります。この間の抵抗線とサポートはシカゴポジション226をご参照願います。
(2020年4月22日12時50分、1豪ドル=0.6304米ドル)

豪州中銀総裁スピーチ(2020年4月21日)

豪ドル米ドル週足

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