原油価格は落ち着かず、波乱要因として注視(4/22夕)

22日の東京市場は、ドルが小安い。引き続き原油相場などが不安定な動きをたどったものの、為替市場への影響は限定的で、値幅もわずか35ポイント程度だった。

原油価格は落ち着かず、波乱要因として注視(4/22夕)

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22日の東京市場は、ドルが小安い。引き続き原油相場などが不安定な動きをたどったものの、為替市場への影響は限定的で、値幅もわずか35ポイント程度だった。

ドル/円は107.65-70円で寄り付いたのち、当初はドルが小じっかり。107.85-90円までじり高推移となったものの、買いは続かなかった。一転して売り先行となると、夕方にかけて日中安値である107.50-55円まで軟化。16時現在では107.60円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、昨日までの5月物から6月物へと限月交代した米WTIだが、依然として落ち着かない。前日一時6ドル台まで下落するようなパニック的な売りは見送られていたが、それでもなかなかの上下動で荒っぽい変動だった。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「英国情勢」について。
前者は、昨日CNNが報じ物議を醸した「北委員長の重体説」が引き続き話題に。トランプ米大統領は「容態に関する情報は誰も確認していない」としたうえで、「金氏の健康を願う」と発言するにとどめたが、重篤情報をリークしたのが米国との話も一部で取り沙汰されていた。確かにそう考えると、重体説が取り沙汰される少し前、トランプ氏は、北朝鮮がのちに否定する「金委員長から素敵な書簡がとどいた」とする意味ありげな発言をしていたことなども気に掛かる。
対して後者は、新型コロナウイルスに感染して一時入院していたジョンソン首相が、公務への復帰を暫定的に開始したことが好材料として思惑を呼ぶ。なお、復帰直後の仕事はトランプ米大統領との電話会談で、新型コロナウイルス流行への国際社会の対応について協議したという。また、それとは別に英下院が感染抑止策として、「テレビ会議形式を併用した審議の導入を全会一致で決めた」ことも話題に。

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新型コロナウイルスに関する話題が依然として市場を席巻するも、感染拡大については確かに欧米諸国では徐々にピークアウトしつつあるようだ。ただ、WHOなどの分析によると、中南米やアフリカにおける爆発的拡大が警戒されている。ともかく、新型コロナは新たなフェーズに入った感があり、そのひとつとして注視されているものが原油相場の動向になる。結論は出なかったが、21日に一部のOPEC加盟国が電話会談を開催したとの報道もあるなど、引き続き相場安定に向けた動きには要注意だ。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題で、関連するものとして先で指摘した原油相場のほか、食料の安定供給問題などもジワリと取り沙汰され始めている。かつてのような感染拡大に関する話だけでなく、多岐にわたる関連ニュースに幅広い視点で目を配っておきたい。

テクニカルに見た場合、先週火曜日以降、過去1週間強は106.90-108.10円という値動きだが、期間をいま少し狭めると形成レンジもさらに狭まる。先週末からの数日ではほぼ107円台における動きで、外れたことはほとんどない。足もとの膠着をどう見るのか、市場筋によっても見方が分かれているものの、まずはNYクローズベースでレンジを放れることが出来るのか否か、しっかりと見極めたいところだ。

本日は2月の住宅価格指数などの米経済指標が発表される予定となっているが、正直市場の関心は高くない。もちろん内容次第とは言え、影響は基本的に限定的か。
ただ、指標発表については、米国だけでなく欧州のものなどについても注目が高まっているうえ、明日の実施されるEU首脳のテレビ会議を前に、各国間の亀裂なども指摘されている欧州情勢を警戒する声も少なくない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.10-108.00円。ドル高・円安方向は、今週高値を含む107.90-95円が最初の上値メド。それを上回ると目先の形成レンジ上限である108.10円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日もドルが下げ止まった安値107.30円レベルをめぐる攻防を注視。ただ、割り込んでもかなり底堅いイメージで、直近安値107.16円、4月安値106.93円など下方向のテクニカルポイントは数多い。

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ドル円4時間足(四角は1週間)

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