ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。新規失業保険申請件数に注目(4/23朝)

22日(水)の外国為替市場でドル円は方向感に欠ける展開。

ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。新規失業保険申請件数に注目(4/23朝)

ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。新規失業保険申請件数に注目

海外時間の為替概況

22日(水)の外国為替市場でドル円は方向感に欠ける展開。@新型コロナウイルスの感染拡大に端を発したグローバルなリスク回避ムードや、A原油先物価格の急落(WTI原油5月限が4/20に史上初となるマイナス圏に沈んだこと)を受けた投資家心理の悪化が重石となり、欧州時間朝方には、一時107.51まで下げ幅を広げました。しかし、海外勢参入後に、B米主要株価指数や原油先物価格が反発に転じると、連れてドル円も底堅さを取り戻し、米国時間には日通し高値107.93まで上昇する場面も見られました。もっとも、心理的節目108円手前では戻り売り意欲も根強く、伸び悩むと再び反落。本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、107.72近辺で推移するなど、方向感を見出しづらい時間帯が続いております。尚、トルコ中銀は昨日、市場予想(50bp)を大幅に上回る100bpの利下げを実施し、政策金利を8.75%まで引き下げました。

昨日のユーロドル相場は上昇後に急反落。@トランプ米政権による5000億ドル規模の追加対策(新型コロナ対策第4弾)合意や、A米株高・原油高を受けたリスク回避ムードの後退(ドル買い圧力の後退)が支援材料となり、米国時間朝方には、一時1.0885まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線および基準線に続伸を阻まれると、Bユーロ圏・4月消費者信頼感指数(結果▲22.7、予想▲20.0)が2009年3月以来となる低水準に落ち込んだことや、Cイタリアにおける新型コロナウイルスの感染拡大、Dスペイン議会によるロックダウン(都市封鎖)の延長(5/9まで)などが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0803まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では、1.0821近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、4/6に記録した高値109.39をトップに反落に転じると、4/15には一時106.93まで下落しました。この間、ボリンジャーミッドバンドや、200日移動平均線、一目均衡表転換線及び基準線を下抜けするなど、テクニカル的に見て、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります(足元107円台後半へと持ち直すも戻りは鈍く、200日線をバックに上値の重い展開が続くと予想されます)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、大規模緩和を続ける米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大長期化懸念(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F原油先物価格の不安定化(買い手不在の中、保管コストを嫌気した投げ売りが加速し、史上初となるマイナス圏に沈むパニック相場)、G本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言発動後の実体経済への下押し圧力)など、ドル売り・円買いを連想させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重い」展開が想定されます。米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、本邦経済のリセッション懸念(円高要因)、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、米中対立再燃リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、引き続き、新型コロナウイルスを巡るヘッドラインや、原油先物価格および世界的な株価の動向、米主要経済指標の結果(新規失業保険申請件数や、米製造業・サービス業PMI、新築住宅販売件数など)を睨みながらも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(一巡後の反落リスクに要警戒)。

本日の予想レンジ:107.20ー108.20

ドル円、狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。新規失業保険申請件数に注目

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る